僕はキャンプに行く時、お気に入りのシングルバーナーを2つ持って行きます。その1つが新富士バーナー(SOTO)のST-301です。
今回は2年間にわたって使い続けてきた、他のシングルバーナーには無い魅力がたくさん詰まったST-301の「良い点」と「悪い点」について詳しく解説していきます。
シングルバーナーST-301 「6つ」の良い点
【良い点1】火力が強い
ST-301は数あるシングルバーナーの中でも、火力がかなり強いバーナーです。
メーカー公表の値は火力3200kcal(※1)。一般的な家庭のキッチンにあるガスコンロ(最大火力3610cal)に肩を並べる火力です。
一般のシングルバーナーの火力は2300kcal〜2500kcalが平均値なので、3200kcalの火力が飛び抜けて強力なことがわかります。
火力が高いと短時間でお湯を沸かせたり、炒め物などの調理が美味しくできます(^^)
【良い点2】カセットボンベ缶(CB缶)が使える
アウトドア用バーナーの燃料は主に「ガス、ホワイトガソリン、灯油、燃料用アルコール」など様々な種類があります。
ST-301は「ガス缶」を燃料に使用しています。
ガス缶は「アウトドア缶(OD缶)とカセットボンベ缶(CB缶)」に種類が分かれますが、ST-301は後者のカセットボンベ缶(CB缶)を使います。
カセットボンベ缶には、以下の素晴らしいメリットがあります。
カセットボンベ缶(CB缶)のメリット
(メリット1)値段が安い
CB缶はOD缶よりも普及しているため単価が安い! OD缶の3分の1から4分の1くらいの値段で買えます(百均ショップでも売ってます)。
ガス量 | 価格(実勢価格) | |
CB缶 | 250g | 100円〜250円 |
OD缶 | 250g | 400円〜500円 |
仮にキャンプ1回につきガス缶1本を消耗すると考えると、1回の差額は約300円。年間でランニングコストを考えると、チリも積もれば山となりバカにできない金額になってきます。
(メリット2)どこでも手に入る
CB缶はコンビニやスーパーなど、どこでも売っています。持ってくるのを忘れたり、燃料がなくなってもどこでも簡単に手に入るので安心です。
【良い点3】大きな鍋でも大丈夫
ST-301は鍋を乗せるゴトク部分が大きく、重心も低く設計されているため、大きめの鍋も安定して置くことができます。
ゴトクに載せた鍋やケトルなどがバランスを失って倒れる心配はありません。
ST-301のおかげで安心して大鍋料理やダッチオーブン料理が楽しめます(^^)
ただしシェラカップなどの小さなクッカーを直接バーナーで加熱するのは(炎がはみ出てしまって)不得意です。
【良い点4】ダッチオーブン料理に最適な分離型
ダッチオーブン料理は、長時間バーナーの火を付けっぱなしにしてダッチオーブン自体を蓄熱させて旨味を引き出す料理です。
火元とガス缶が一体型のバーナーだと、高温のダッチオーブンやバーナーの熱源に近距離で長時間にわたって接しているため、ガス缶が過熱する危険が伴います。
ガス缶が過熱すると「破裂や爆発のおそれがある」とガス缶のウェブサイトや取り扱い注意事項にも記載があります。
カセットボンベを他の熱源の近くに置いたりすると過熱し、爆発などのおそれがあります。
高温にすると破裂の危険があるため、直射日光の当たる所や火器等の近くなど温度が40度以上となる所に置かないこと。
ST-301は火元とガス缶とをチューブを使って分離させているので、熱源がガス缶に当たりにくく、過熱しにくい構造になっています。
よって安心してじっくりとダッチオーブン料理に取り組むことができます。
【良い点5】火力が調整しやすい
ST-301は火力を調節するツマミがよくできていて、強火から弱火までの炎の調整が比較的やりやすいです。
ただ、ツマミにある「強弱」の印が見にくいので、ポスカ(白)で塗るとわかりやすくなります。
「バーナーパット」でさらに便利!
さらにユニフレームから販売されている「バーナーパット(M)」 をゴトクの上に置いて調理をすると、シングルバーナーから出る「炎」を特殊耐熱鋼メッシュによって、赤外線の「熱」に変えて自動的に「とろ火」の状態にしてくれます。
ツマミを使って炎を調節する手間も省けるし、弱火にして火が消えることもないので、とても便利です。
【良い点6】コンパクトに折りたたんで持ち運べる
ST-301はコンパクトに折りたたみが可能で、持ち運びも楽だし、収納スペースを節約できます。
その他の「細かな良い点」
今までに解説した「6つの良い点」以外の、細かいけれど大事な良い点を2つあげます。
熱で机が焦げない
ゴトクの底面に耐熱ゴムパッキンが付いているので、熱が机に伝わりにくくなっています。
安心のアフターサービス
ST-301を作っている「新富士バーナー」という会社は、40年以上もバーナーを作り続けてきた信頼と歴史のあるメーカーです。
写真引用:新富士バーナー株式会社
製品の信頼性に加えて、いざという時に万全のアフターサービスがあることは心強い限りです。
ST-301 「6つ」の欠点
気に入って使い続けているST-301ですが、残念ながらイマイチな部分もあります。
【欠点1】風に弱い
せっかくの高火力バーナーですが本体に風防がないため、風が炎に当たると火力がかなり弱まってしまいます。
【対策】風よけ(ウインドスクリーン)を設置する
風が強い時には「風よけ(ウインドスクリーン)」をゴトクの周りに設置すると、火力が弱まることがありません。キャンプには必ず一つ持っていくことをオススメします。
【欠点2】気温が低いと火力が弱くなる
気温の低い環境でバーナーを使うと、火力が低下してしまう状況がよく発生します。
また長時間にわたり連続で使用すると、ガス缶が冷えて火力が低下する状態にもなりやすいです(ドロップダウンといいます)。
【対策】液化プロパン入りのガス缶を使う
対策としては、寒さに強い「液化プロパン」が入ったカセットボンベ缶を使うと、火力低下が起きにくくなります。
冬キャンプには持っていくことをオススメします。
【欠点3】バーナーの組立に時間がかかる
ST-301を収納ケースから取り出して、組み立てるのに(他のシングルバーナーと比べると)少し時間がかかります。
慣れてしまえばどうということはありませんが、急いでいる時は他のバーナーを使いたくなります。
特にガス缶を取り付ける構造が特殊で、しっかりはめ込まないと火力が安定しないので注意が必要です。
【欠点4】テーブルの場所をとる
火元とガス缶がホースによって分かれている構造なので、その分テーブル上のスペースを(他のシングルバーナーと比べて)たくさん占領してしまいます。
小さなテーブルだと、他の物を置くスペースが無くなってしまいます。
【欠点5】純正ケースに入れづらい
付属するメーカー純正の収納ポーチが小さくて、ギリギリのサイズです。袋に入れたり出したりするのに毎回ストレスを感じます。
また、素材が薄いナイロン生地なので収納時に何らかの衝撃が加わると本体が心配です。
代わりに百均ショップなどで売っている丁度良い大きさの「ソフト収納ケース」に入れると、出し入れがスムーズだし、クッション性もあるので安心です。
【欠点6】ちょっと重い
収納時にコンパクトにはなるけれど、本体はずっしりとした重さ(690g)があります。
もちろん車での持ち運びには問題ありませんが、登山などでリュックに入れての持ち運びには不向きです。
その他の細かすぎる「気になる点」
今までに解説したST-301の欠点以外に、欠点とまでは言えないけど、気になる人には気になる(笑)細かすぎる「気になる点」を2つあげます。
汚れが取りにくい
火元部分にある受け皿の汚れを掃除することができません。調理中の吹きこぼれなどで汚れが付くので(気になる人は)注意する必要があります。
ゴトクのゴム部分が取れやすい
ゴトクについている耐熱ゴムが取れやすいので、無くさないように注意しましょう。
まとめ
シングルバーナーST-301の「良い点・悪い点」について、それぞれ解説してきました。
僕が2年間にわたって使い続けてきた「ST-301」は、確かに短所は色々あるけど、他のシングルバーナーには無い「抜きん出た素晴らしい長所」があります。
さらに、もう1つ違う種類のバーナー「ST-310」と組み合わせて使うと、お互いの短所をカバーしあって、まるで「隙の無いツーバーナー」のように使えるのでオススメです(^^)