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正規品は、日本唯一の公式正規代理店である「ザッカワークス」から購入することができます。
中間コストが発生せず、正規代理店よりも安く購入できる「並行輸入品」は、Amazonや楽天などの大手ネット通販をはじめとして、ネット検索するとたくさん出てきます。
出典:タフパン
正規品と並行輸入品、両者に「違い」はあるのでしょうか? 調べてみました。
正規品と並行輸入品、両方で買ってみた
僕はクラシックシリーズ(26cm)は並行輸入品を、プレスパンシリーズ(36cm)は正規店でそれぞれ購入しました。
- クラシックシリーズ(26cm)→並行輸入品を購入(Amazon)
- プレスパンシリーズ(36cm)→正規代理店で購入(ザッカワークス)
正規品と並行輸入品の違い
正規品と並行輸入品をそれぞれ両方買ってみての「違い」を以下に述べます。
正規代理店(ザッカワークス)で購入する場合
正規代理店(ザッカワークス)で購入すると、代理店による保証が付きます。保証期間はクラシックシリーズは2年間、プレスパンシリーズは1年間です。
また、正規店で購入すると、専用の収納バッグが付いてきます(↓)。
ザッカワークスのウェブサイトでは、正規店ならではの「独自の厳正な商品管理」がなされ、「一点一点検品した製品」が出荷される、とされています。
2005年よりドイツ、ターク社からの正規輸入を開始し、自社倉庫にて独自の厳正な商品管理のもと一点一点検品した製品をみなさまにお届けしています。(ザッカワークスより抜粋)
正規店での購入は品質も間違いなさそうだし、万が一何か問題があったときにも対応してくれる安心感があります。
それに比べて、並行輸入品のタークには品質に問題があるのでしょうか?
並行輸入品を購入する場合
僕はAmazonで並行輸入品のクラシックターク(26cm)を購入しました。
正規店で購入した時に、同梱されていた収納バッグは付属してきません。ビニール袋に梱包されて到着しました。
クラシックタークには、Garantie-Pass(ドイツ語で保証書の意味)と記載されたカードと品質保証シールが付いてました。
ちなみにサビの付き具合は、クラシックタークの方が(プレスパンと比べて)若干目立つ印象でした。
かといって、並行輸入品の方が品質が劣っているかというと、正規品と比べて遜色ありませんでした。
正規店と並行輸入の「違い」まとめ
正規品と並行輸入品の「違い」をまとめると以下のようになります。
- 価格:並行輸入品の方が安い
- 品質:どちらも問題なし
- 保証期間:正規店は2年の保証期間が付く(プレスパンシリーズは1年間)
- 収納バッグの有無:正規品には赤いタークバッグが付属
(疑問点3)タークの偽物ってあるの?
偽物をつかまされる可能性は無い、と思う
個人的な見解ですが、製造過程がこんなに面倒な絶滅危惧種級の手作りフライパンは、偽モノ業者は(手間がかかりすぎて)作らないのではないかと思います。
自分が偽モノ業者だったら、もっと簡単な機械生産モノを狙います。
こんな作るのに大変なフライパンを偽物で作ったら逆に大したものだね(違う)
もし偽物が心配であれば、購入前に「品質保証シールは本体に貼ってありますか?」とメールで聞いおておくと安心できます。
(疑問点4)ドイツAmazon・アメリカAmazonで買うとお得なのか?
タークの本拠地ドイツや、需要のありそうなアメリカの現地Amazonで買ったらお得なんじゃね?
と思い、購入前にドイツとアメリカのAmazonをどちらも調査してみました。(ちなみにドイツAmazonでは「turk pfanne」と入力すると検索できます)
ドイツのアマゾンはクラシックシリーズに欠品が多く(プレスパンは在庫有り)、日本のAmazonの方が品揃えが豊富でした。値段も日本の方が安かったです。
アメリカのアマゾンは日本と比べて値段が逆に高かったです。種類も日本と比べて豊富ではありませんでした。
(疑問点5)実店舗で見たいけどどこにあるのかわからない
正規代理店であるザッカワークスにメールなどで問い合わせると、自分の住んでいる地域で正規品を卸しているお店を丁寧に教えてくれます。
実際に手に取ってから購入したい方は、実店舗で確認すると良いですね。
(疑問点6)レビュー記事に「届いたら錆だらけ」→大丈夫?
よくレビュー記事に「届いたら赤錆だらけだった」とか記載があるけど大丈夫なのかしら?
タークは製造過程で防錆剤は塗っていません。職人が錆防止めにオリーブオイルを塗っているだけです。
なので、在庫として倉庫などに保管しておいたり、輸送過程などで錆は発生します。
でも錆は簡単に落とせるし、また錆が付いても復活させることができます。(詳しくは後述するシーズニングを参考にしてください)
(疑問点7)使っていると錆びてくる?
鉄だから、使ってるうちに錆びてくるの?
調理が終わったら、しっかりと火にかけて乾燥させれば錆びつくことはありません。
持ち手部分に水滴が付いていたら(火にかかりにくいので)拭き取ったほうが良いです。
タークを空焚きをして乾燥させた後は、油を塗る必要はありません。
(疑問点8)調理中に取っ手は熱くなる?布巾が必要?
調理中に持ち手は熱くなる?素手で持てるかな?
タークは柄が長いので、他のフライパンやスキレットと比べると取っ手は熱くなりにくいです。
ずっと調理していると段々と持ち手は熱くなってきますが、10分くらいの調理では熱くはなりません。
ただ、だんだん熱を帯びてくるので、ミトンや布巾は用意しておいた方が良いです。
(疑問点9)他の鉄フライパンで作った料理よりも美味しいの?
タークは他の鉄フライパンやスキレットで作った料理よりも美味しいの?
これは意見が分かれるところですが、「美味しい!」と言う人もいれば、「同じくらい」と言う人もいるでしょう。
ただ、道具(ターク)に愛着が湧けば湧くほど、美味しく感じるのは間違いありません。
ただ、目隠しされて他の鉄フライパンで作った料理と比べたら、、、僕は多分わかりません(笑)
今まで使ってきたスキレット達も、それぞれ味わいがあって愛着があるので、これらで作った料理ももちろん美味しいです。
(疑問点10)ちょうど良いフタはある?
タークにぴったりの蓋(フタ)ってあるの?
Amazonとかで、タークのサイズに合わせて購入するのはあまりおすすめしません。なぜならクラシックタークは手作りのため微妙に個体差があるため、サイズ通りにピタッと締まるかどうかわからないからです。
おすすめは、実店舗に自分のタークを持って行き、フタを直接あてがってみると 自分にとってベストなフタが見つかるはずです。
僕は、ニトリにタークを持っていって探しました。
(疑問点11)IHでも使える?
ガスコンロじゃなくてIHなんだけど使えるかしら?
IHヒーター(電磁調理器)でも問題なく使えます。
ただし電子レンジは使えません。オーブンは使えますが、クラシックシリーズは持ち手が長いので入りません。。(グリルパンシリーズなら入ります)
(疑問点12)シーズニング面倒臭くない?
シーズニングってやったことないし、面倒じゃない?
シーズニング(焼きならし)は面倒ではありません。簡単で楽しい作業ですよ。
誰でもできる「タークのシーズニング(焼き慣らし)の手順」
タークだけでなく、鉄フライパンやスキレットなどは新品の状態では使用できません。
なぜなら、錆止め剤や鉄粉、錆が付いてたり、油で慣らしていないと焦げ付きやすかったりするからです。
この、錆止めや錆や粒状の鉄を取り除いて、油で表面を滑らかにする工程を「シーズニング(焼き慣らし)」と言います。
シーズニングは購入後たった1回限りの作業です。(時間は30分くらいです)
シーズニングをやり終えると、タークに「愛着感」が湧いてくるよ!
(手順1)シーズニングに必要なものを用意する
まずシーズニングに必要なものを揃えます(↓)。
- クレンザー
- 金たわし
- クズ野菜(ネギ、ジャガイモやニンジンの皮)
- サラダ油
- 塩(大さじ2)
- ゴム手袋やポリエチレン手袋
金タワシはこれからも(お手入れなどで)使うので、10個入りのを買っておくのをおすすめします。
(手順2)錆や鉄粒をクレンザーと金タワシで落とす
自宅に到着したばっかりのターク。赤錆が付いているのが分かります。
素手で表面を撫でると、錆や鉄粒が付着します。これらをまず綺麗にしましょう。
タークに付いてる品質保証シールを剥がしてから、台所のシンクに置いてクレンザーを注入します。
ゴム手袋などをして、金たわしを使ってタークをこすります。
タークの裏側や取っ手部分も忘れずに擦りましょう。
赤黒い水や黒い粉が出なくなるまで繰り返すと、こんな感じになりました。
写真(↑)では地金が見えてます(やり過ぎ感ありw)。ここまでやる必要はありませんが、手で表面を触って鉄粒が付かなくなるまでこすり洗いします。
(手順3)サラダ油と塩を入れる
次にキレイになったタークに、サラダ油を底面が隠れるくらいまで注ぎます。
使用する油はオリーブオイルではなくてサラダ油の方が向いています。(サラダ油は飽和脂肪酸が入っているため、固まって膜を張ってくれる)
そして焦げ付き防止のために油に塩を入れます。ドバッと。大さじ2くらい入れました。
(手順4)クズ野菜を投入
まだ火はかけずに、用意しておいたクズ野菜をタークに入れます。
使う野菜は、ネギやニンジンなどの水分があまり無い野菜がおすすめです。(白菜、レタス、大根など水分がある野菜は油が跳ねてしまうので勧めしません)
クズ野菜を油の入ったタークに入れて、ゆっくりと弱火で熱していきます。
入れた野菜を使ってフライパンのフチ部分にも油を馴染ませていきましょう。
10分くらい弱火で炒め続けて、野菜が茶色っぽくなってきたら、火を止めてそのまま冷やします。
冷やしている間にクズ野菜を取り上げて、最後に油を廃棄します。
(手順5)お湯洗いして空焚きする
冷めて油がなじんだタークを、水(お湯)洗いして、空焚きします。
表面に酸化皮膜ができて、ちょっと黒くなりました。
これから調理する度に、より黒く渋くなっていくと思うとワクワクしますね。
(完成!)
試しに、目玉焼きを作って、食べて、シーズニング儀式は終了です。
この時の目玉焼きは弱火でじっくり焼きましょう。かなり美味しいです。
タークで料理するちょっとしたコツ
今まで使ってきて、タークで料理するちょっとしたコツを述べたいと思います。
火加減のコツ
まずフライパンの表面が十分に熱くなるまで、よく温めることがコツです。
鉄は蓄熱性があるので冷めにくい性質があります。お肉や目玉焼きは弱火〜中火でじっくり焼いて焼き目をつけていくのが最大のコツです。
アウトドアで焚き火を使ってタークで調理する場合は、少し熾き火になってから調理すると火加減をうまく調節できます。
まとめ
今までタークについて述べてきた内容を、簡単にまとめてみました。
「タークの良い点」まとめ
- 美しいデザイン
- 半永久的に使える
- 手入れが簡単
- 結局はコスパが良い
- 作った料理が美味しく感じる
- お皿に盛り付けずにそのまま食卓に出せる
- 愛着が湧いてくる
- 料理の時間が楽しくなる
- 持ち手が熱くなりにくい
「タークの注意点・悪い点」まとめ
- 万能な調理器具ではない
- 片手で持ち上げると重い
- フライパンを振るのは難しい
- 食材や油が飛び散りやすい
- 持ち運びしにくい
- 調理面積(内径)が意外と狭い
- キャンプでは結露に注意
「タークに向いている料理、向いていない料理」まとめ
タークに「向いている料理、向いていない料理」を、(僕が調理した範囲内で)まとめてみました。
タークに向いている料理
- ステーキ(牛肉、豚肉、鶏肉、厚めのお肉をじっくり焼くとホント美味しいです)
- 目玉焼き(シンプルだけど朝ご飯の王道。弱火でじっくり)
- お好み焼き(金属ヘラで思いっきりゴリゴリして分けることができます)
- 餃子(蓋があった方が美味しく作れます。蓋がない場合はアルミホイルを使えばOK)
- チャーハン(ただしフライパンを振らずに炒めるのがポイントです)
- パンケーキ(弱火でじっくり焼いていくのがコツです)
- トーストやお餅(ただタークにのせて焼くだけなのに美味しいです)
- パエリア(見栄え最高!)
- ナポリタンパスタ(子供たち大好き!)
- 焚き火料理 全般(キャンプで絶対やりたい)
タークに向いていない料理
- 煮込み系(鍋底が浅いので、煮込みハンバーグとかは向いていません)
- 揚げ物(油が跳ねて掃除が大変です)
- オムレツ(フライパンを片手で持ち上げてお皿に移す時、腕がつります)
タークが向いている人
タークが向いている人はこんな方です。
- 一生使えるフライパンを探している人
- 無骨でシンプルなデザイン(機能美)が好きな人
- 金属のヘラやナイフをフライパンに使いたい人
- 調理後の手入れを楽にしたい人(メンテナンス超楽)
- フライパンを育てていく楽しみも味わいたい人
タークが向いていない人
タークが向いていない人はこんな方です。
- 重いフライパンは苦手で、軽いフライパンを探している人
- チャーハンなどの調理をする時、鍋を振って調理したい人
- フライパンで「煮る・揚げる」調理まで全部オールマイティにやりたい人
- キッチンの周りに食材や油が飛び散るのを避けたい人
- シーズニングが面倒な人(簡単なんだけどな)
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
愛着があるタークについて、お伝えしたいことを書いていたら、思わず長文になってしまいました。(ここまでで15000字。。お付き合いいただいて本当にありがとうございます)
僕にとってタークは、これからもずっとずっと使い続けていきたい大切なフライパンです。
他のフライパンと比べて値段はちょっと高いけど、その価値は十分あります。
「使ってみて、調理してみて、食べてみる」と納得できますよ。おすすめです!
もし買うなら早ければ早いほどイイですよ。ずっとずっと使えますから… ね?
今回紹介したアイテム一覧
僕が持っているサイズ26cmのタークです。毎日の料理からキャンプまでいつも使っている相棒です。
機械生産のプレスパンシリーズのグリルパン(ややこしいけど取っ手が長くないタイプ)。元々クラシックシリーズで30cm以上のサイズが欲しかったけど持ち手が長くなるので諦めて、グリルパンシリーズを購入。家族4人で鉄板焼きをしたり、焼きそば、お好み焼き、鉄板ナポリタンなどをこなす万能選手です。
いわゆるターク本。タークのうんちくからサイズ別に合わせた料理まで幅広く書かれてます。(料理の写真が美しい!)焼き枝豆最高。
厚みが2cmもあるコルク鍋敷き。縄網がついてるので、吊るせるし タークが乗ったままテーブルをちょっと移動させられるのが便利。
油はねを防ぐオイルスクリーン。鳥もも肉のステーキを作るときに皮の油が飛び散るのを防ぐときが一番便利。というかこれが無いとヤケドします。
お小遣いが貯まったら購入したいと思っているターク専用ケース。タークのサイズによってケースのサイズも違うので注意。
初めのシーズニングから普段のお手入れまで。鉄フライパンを買ったら必要なので10個入りが経済的にお得です。