今回は、EAGLE Products(イーグルプロダクツ)のキャンプファイヤーケトルについて詳しくレビューしていきます。
レビューする主な内容は、以下の通りです。
- キャンプファイヤーケトルとは?(3つの特徴)
- 使い込んでわかった「6つの良い点」
- 購入前に知っておきたい「6つの注意点」
- 「お湯は本当に早く沸くのか?」実験してみた
- どのサイズを選ぶべきか
- 類似品・コピー品について
- キャンプファイヤーケトルが「向いている人・向いていない人」
キャンプファイヤーケトルとは?「3つの特徴」
キャンプファイヤーケトルって何?
キャンプファイヤーケトルの主な特徴は、以下の3点ね
- 美しい機能的なデザイン(北欧デザイン)
- 頑丈なステンレス製(底部には銅メッキ)
- サイズは全部で3種類(0.7L、1.5L、4L)
まずは、この3つの特徴について説明したします。
(特徴1)美しい機能的な北欧デザイン
北欧ノルウェーのアウトドアブランド「イーグルプロダクツ」
キャンプファイヤーケトルは、北欧ノルウェーで1946年に設立されたEAGLE Products(イーグルプロダクツ)で生まれました。
北欧デザインは、自然と融合したシンプルなデザインが特徴です。
キャンプファイヤーケトルもまた、北欧らしいシンプルで飽きないデザインが特徴です。
(特徴2)頑丈なステンレス製
キャンプファイヤーケトルは、錆びないステンレス素材を採用しています。
北欧の厳しい気候にも適応できるようケトルの構造も、頑丈な作りになっています。
焚き火で使うことも想定されているため、
持ち手部分に(火傷防止の)シリコンや樹脂などの加工はされていない”硬派”なケトルです。
シリコンや樹脂が持ち手に付いてると、炎で溶けちゃうからね。
底面には銅メッキ
キャンプファイヤーケトルの底面には、熱伝導に優れた銅メッキ加工が施されています。
出典:Amazon
ステンレスの持つ”熱伝導率が低い特性(=お湯が沸くのに時間がかかる)”を、熱伝導率が高い(=お湯を早く沸かすことができる)銅メッキ加工を底面に施すことでうまくカバーしています。
熱伝導の低いステンレスは一般的に保温性があり、冷めにくいといわれています。
キャンプファイヤーケトルは、ステンレスの長所を活かしつつ、銅メッキでステンレスの短所をカバーした考えられた製品です。
(特徴3)3種類のサイズ展開
キャンプファイヤーケトルは、全部で3種類(0.7L、1.5L、4.0L)のサイズがあります。
出典:plywood
それぞれの寸法(サイズ)・重量
それぞれのサイズと重量は以下の通りです。
- 0.7L(ST200): 直径14.5cm × 高さ7.4cm 約236g(販売店カタログ値)
- 1.5L(ST400):直径18cm × 高さ9.9cm 実際に測ると370g
- 4.0L(ST600):直径26cm × 高さ13.5cm 約724g(販売店カタログ値)
(※サイズの高さにはハンドル部分を含めていません)
どのサイズを買うべきなのか?
出典:plywood
3つあるサイズの中でどれがいいのかな?
迷ったら1.5Lがおすすめよ!
おすすめサイズは1.5L
ソロキャンプにしか使わないのだったら、軽量でコンパクトな0.7Lも良いと思いますが、2人以上でのキャンプに使うこともあるのなら1.5Lサイズがおすすめです。
理由は、0.7Lの容量だとカップ麺2つのお湯を沸かすのにギリギリ足りないくらいの水量しかありません。思ったよりも早くお湯がなくなってしまうのです。
カップラーメンを1つ作るのに必要な水は300ml〜400mlくらいだよ。
また、後述しますが、0.7Lや1.5Lという容量は「満水容量(ギリギリ入る容量)」であって、実際に沸かせる容量ではありません。
実際の容量は少なくなります。
- 0.7L → 0.6L
- 1.5L → 1.3L
また、焚き火やストーブの上などにケトルを置きっぱなしにする機会が多ければ、ある程度余裕を持った水量がケトルの中に入っていた方が空焚きの心配がありません。
少ない水量だと、時間が経って空焚きになってしまう可能性もあります。
4Lサイズは用途が限られる
4リットルは容量がかなり大きいため、持ち運びも大変だし、使う用途も限られてしまいます。
また、4.0Lの大型サイズは日本国内ではあまり流通していません。
実際に使ってわかった「6つの良い点」
それでは、僕がキャンプファイヤーケトルを実際に日々使い込んでみて分かった「良い点(気に入っている点)」を全部で6つ、順番に挙げていきます。
(良い点1)焚き火に気軽に放り込んでおける
キャンプファイヤーケトルは、焚き火の熱量に負けないように、全てのパーツに丈夫なステンレス素材が使われています。
ステンレス製で頑丈な作りなので、焚き火や直火に気軽に放り込んでおくことができます。
また、キャンプファイヤーケトルは重心が低いデザインになっています。
重心が低い(縦幅が短い)ため、薪の上などの不安定な場所に置いてもケトルが倒れてしまうこともありません。(縦長ケトルは焚き火に直接置くと安定しないこともあります)
さらに、木の枝などにケトルを吊るして使用する場合でも、2つの持ち手で安定して吊るしておくことができます。
取っ手部分には凹みが設けてあるため、ズレてしまうことも少ないです。
持ち手部分は、シリコン加工などがされていないむき出しのステンレスなので、気兼ねなく焚き火に入れ続けておくことができます。
焚き火に最適な形状と素材なのね。
焚き火にキャンプファイヤーケトルを置いておけば、いつでも好きなタイミングでお湯を使うことができて便利です。
ガスコンロだと必要な時にいちいちお湯を沸かさないといけないからね。
ケトルを「育てる楽しみ」もある
購入当初はピカピカな鏡面ステンレスですが、焚き火に使用すればケトルに黒い煤が付いてきます。
その煤が味となり、自分だけのケトルを育てていく楽しみにもなります。
(良い点2)美しいデザイン
僕がキャンプファイヤーケトルを購入した第1の理由は、ケトルのデザインに一目惚れしたからです。
ずっと眺めていても飽きないシンプルなデザインが好きです。
機能性を追求して洗練された、どの角度から見ても美しいデザイン。
丈夫な作りなので、長い間 愛着を持って使えそうです。
オールステンレスだから錆びないしね。
(良い点3)コンパクトに収納できて持ち運びしやすい
僕が今まで使ってきたケトルは「縦長タイプ」だったので、持ち運びの時に車のラゲッジスペースを占領していました。
それに対して、キャンプファイヤーケトルはコンパクトに収納することができます。
持ち手は、本体の両脇にあるストッパー金具に引っ掛けて、持ち手を交差するようにたたむことができます。
注ぎ口も短いので、取っ手をたたんでしまえば場所を取らずにしまうことができます。
上部が平たくなるので、ケトルの上にも他のキャンプギアを積み重ねることもできます。
ちなみに、フタのつまみ部分もスタッキングするときは畳んでしまうことができます。(スライド式になっています)
こういう細かい部分も考えられているの好き。
専用の収納袋も付属
購入時に専用の収納袋が付属しています。
袋に入れて持ち運びすれば傷もつきませんし、ケトルに煤がついている場合も周りを汚しません。(袋の裏側は煤がつきますが)
本体の重量も370gと軽く、運ぶ時も重さを感じません。
(良い点4)お湯が早く沸く
キャンプファイヤーケトルは、お湯が沸くまでの時間が早いです。
お湯を早く沸かせる理由は”2つ”あるよ!
(理由1)底面が広いので熱をより多く吸収できる
キャンプファイヤーケトルは一般的な縦長ケトルと比べて底面が広いので、効率的に熱を吸収できます。
底面が広いと、より大きな底面積で炎を受け止めることができるんだね!
(理由2)底面に銅メッキ
先述しましたが、キャンプファイヤーケトルは、底面に”銅メッキ”が施してあるのが特徴です。
熱伝導率とは、「数値が大きい=熱が伝わりやすい」ことを意味するため、水をお湯にする時間も早いということになります。
熱伝導率(W/m K)の参考値
- ステンレス 20(熱伝導が低い)
- 鉄 84
- アルミ 236
- 銅 398(熱伝導が高い)
銅はステンレスと比べて約20倍も熱伝導率に優れているんだね
底面に銅メッキを施すことによりステンレスの熱伝導の低さをカバーしていることが、キャンプファイヤーケトルの特徴の一つです。
本当に早く沸くのか実験してみた
銅メッキって本当に効果があるのかな?
本当にお湯が早く沸くのか実験してみたよ!
底面に銅をメッキすることで本当に効果があるのか(お湯が早く沸くのか)を実際に試してみました。
用意したのは、以下の3つの容器。
- キャンプファイヤーケトル(ステンレス製+銅メッキ)
- グランマーコッパーケトル(銅製)
- ステンレス鍋 フタ付き(ステンレス製)
「満水(1.5L)、室温25℃ 、同じ火力」という条件で、沸騰までどのくらいの時間がかかるかをそれぞれ行いました。
【結果】銅メッキには効果がある!
沸騰までの時間を実験した結果は以下のようになりました。
- キャンプファイヤーケトル(銅メッキ): 6分45秒
- グランマーコッパーケトル(銅):6分33秒
- ステンレス鍋(ステンレスのみ):7分30秒
銅メッキ処理がしてあるキャンプファイヤーケトルは、通常のステンレス素材よりも早くお湯を沸かすことができることがわかりました。
熱伝導の良い銅素材を使ったグランマーコッパーケトルと比べても遜色ない時間でお湯を沸かすことができました。
(良い点5)手入れ(メンテナンス)が楽
キャンプファイヤーケトルは、使用後の手入れが簡単です。
キャンプファイヤーケトルはステンレス製なので、お湯を沸かした後の手入れはほとんど必要ありません。
ケトル内に水分が残っている時だけ、軽く拭き取っておけばオッケーです。
キャンプファイヤーケトルをスポンジ洗いする場合も、上下の高さが浅く、底面が広いので全体に手が行き届き、洗いやすいです。
僕はキャンプファイヤーケトルの他にもグランマーコッパーケトル(銅製)を使っています。
グランマーコッパーケトルは外側に水滴が残っていると変色しやすい(内部はメッキしてあるので大丈夫)ので、できるだけ使用後は水分を拭き取るようにしています。
ケトルを新品のようなピカピカな状態を保ちたいのであれば、焚き火には入れずに、時々ピカールなどの金属研磨剤で磨いてあげるといいでしょう。
(良い点6)日常(家)でも使える
今まで述べてきたように、キャンプファイヤーケトルはデザインが良いし、機能性にも優れているので、キャンプだけではなく自宅でも気に入って使っています。
お湯が早く沸いてくれるので、コーヒーを淹れるためのお湯を沸かす時にも重宝しています。
キャンプファイヤーケトル「6つの注意点」
今まではキャンプファイヤーケトルの良い点ばかりお伝えしてきましたが、注意すべきポイントもあるので、全部で6つ共有させていただきます。
購入を検討してる人はぜひ読んでみてください。
(注意点1)持ち手が熱くなる!(やけど注意)
持ち手部分にシリコンや樹脂が巻かれていないので、ガスなどの強い火力でお湯を沸かすと”持ち手”に熱が伝わりやすく、沸騰時に素手で触ると火傷します。
お湯を沸かした後は必ずグローブや鍋つかみなどを使うようにしてください。
弱い火力でじっくりお湯を沸かす場合(焚き火など)は、素手で持ち手を触ることもできます。
(注意点2)フタが落ちやすい!
キャンプファイヤーケトルは、フタの開け閉めが簡単にできるシンプルな設計です。
よって、お湯を注ぐとき、垂直以上にケトル傾けるとフタが簡単に外れてしまいます。
例えば、グランマーコッパーケトルは(↓)のようにフタにポッチがついており、傾けてもフタが外れないようになっています。
ケトルを垂直以上に傾ける場合(ケトル内のお湯を全部注ぐときなど)は、フタが外れないように もう片方の手でフタを添える必要があります。
(注意点3)実質容量は1.5Lではなく1.3L
カタログ値の「容量1.5L」というのは、満水容量(ケトルにギリギリ入る容量)のことです。
1.5Lを入れた満水状態でお湯を沸かし続けると、注ぎ口から沸騰したお湯が噴きこぼれてしまいます。
実質容量は1.3L程度
実際にお湯を沸かして検証してみると、満水容量よりも200ml少ない1.3Lの容量であれば沸騰しても注ぎ口から噴きこぼれることはありません。
満水容量と実質容量は違うんだね。
(注意点4)コーヒードリップ用には限界あり
注ぎ口の水切れは良いし、思ったよりも細くは注げますが、コーヒードリップにこだわりがある人向きではありません。
挽いたコーヒー豆を蒸らすために、ゆっくりと注いだり、極限まで細く注いだりしようとすると液ダレしやすくなります。
キャンプファイヤーケトルを使ってより細く注ぎたい方には、注ぎ口に差し込むタイプの専用ノズル(他社製)が販売されています。
ケトルに装着することで、ドリップポットのような細いお湯を出すことができます。
普通に注ぐ分には、液ダレの心配はない
購入前は、注ぎ口が小さくて高さが無いので心配していましたが、普通に注ぐ分にはお湯が垂れてしまう心配はありません。
コツとしては一気に角度をつけて注ぐと綺麗に注げます。
(注意点5)お店によって値段に差がある!
全てのキャンプ用品の購入に言えることですが、キャンプファイヤーケトルも販売店によって価格に違いがあります。
購入を検討している方は、いろんなサイトで価格を比較して購入することをお勧めします。(ポイント付加率も比較しましょう)
Amazonよりも楽天やYahoo!ショッピングが安い場合もあるので、いろいろチェックしてみるといいよ!
海外での売価は約6000円
本国ノルウェーでは、いくらくらいで販売されてるのかな?
ノルウェー本国の公式サイトでは、ケトル1.5L が439.00ノルウェークローネで販売されています。
1クローネ13円で計算すると約6000円。送料や関税、為替手数料を考えると日本での販売価格は妥当な値段だと思います。
(注意点6)類似品(コピー品)に注意!
昨今のキャンプブームにより、あらゆる有名なキャンプギアに類似品(コピー品)が出回っています。
有名ギアの宿命かもしれませんが、キャンプファイヤーケトルにも類似品やコピー品が販売されています。
コピーと割り切って購入する場合はいいかもしれませんが、本物と間違えて買わないように注意しましょう。
その他の(細かい)注意点
その他に載せきれなかった「細かな注意点」を箇条書きで以下に記しておきます。
- IHでは使用不可です。
- 美しいピカピカな底面の銅メッキは、使っているうちにツヤが無くなってきます。
- 収納袋は順次カラーが変更されているようです(グレー→茶色)。
一部引用:plywood
まとめ
イーグルプロダクツのキャンプファイヤーケトルについて「長所」と「短所」を詳しくレビューしてきました。
キャンプファイヤーケトルが「向いている人・向いていない人」
最後に今まで述べてきたことの”まとめ”として、キャンプファイヤーケトルが「向いている人」と「向いていない人」を箇条書きで書き記しておきます。
キャンプファイヤーケトルが「向いている人」
キャンプファイヤーケトルが”向いている人”はこんな方です。
- 焚き火や直火に直接入れてワイルドにお湯を沸かしたい方
- 頑丈で長い間使えるケトルを探している方
- 持ち運びのしやすい、スタッキングしやすいケトルを探している方
- お湯を少しでも早い時間で沸かしたい方
- メンテナンスが楽なケトルを探している方
- 飽きのこないシンプルで美しいデザインが好きな方
キャンプファイヤーケトルが「向いていない人」
キャンプファイヤーケトルが向いていない人はこんな方です。
- お湯を沸かしても”持ち手”が熱くならないケトルを探している方
- IHでもケトルを使いたい方
- コーヒーをうまく淹れるための細い注ぎができるケトルを探している方(細くゆっくり注ぐことは苦手です)
- デザインは多少目をつぶっても、値段が安いケトルを探している方(類似品で安いのがあります)
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
キャンプファイヤーケトルは「機能性、耐久性、デザイン」を兼ね備えています。僕にとっては理想のケトル出会えました。
焚火の中に放り込むもよし。ストーブにかけておくもよし。普通にガスでお湯を沸かすもよし。
キャンプライフと日々の生活を確実に豊かにしてくれる一生モノのケトルになりそうです。
気になる方は、Amazonよりも楽天やヤフーショッピングの方が安い場合があるので、いろいろ見て比較してみてくださいね。