大型ポータブル電源「BLUETTI(ブルーティ)AC200P」を、メーカーさんよりご提供いただきましたので、その使い勝手などを正直にレビューさせていただきます。
今回は、以下のポイントを詳しくレビューしています。
- BLUETTI AC200P「6つの特徴」
- 実際に使って分かった「5つの良い点」
- 購入前に知っておきたい「9つの注意点」
- 次回は改善してほしい「惜しいポイント3つ」
- AC200Pが「向いている人・向いていない人」
BLUETTI(ブルーティ)AC200Pがよくわかる「6つの特徴」
まずは、BLUETTI「AC200P」の全体像がよくわかるように、AC200Pの「大きな特徴」を全部で6つ、順番にわかりやすく解説していきます。
(特徴1)圧倒的な大容量バッテリ
AC200Pは、2000Wh(ワットアワー)というポータブル電源の中では圧倒的に大きなバッテリ容量を持っています。
2000Whってそんなにすごいの?
いきなり”2000Whは大容量!”といっても、ピンとこない方もたくさんいらっしゃると思います。(僕もそうでした)
ちなみに一般的なポータブル電源のバッテリ容量は「300〜600Wh」です。
それらのポータブル電源と比べると、2000Whという数値がかなりの大容量だということがわかります。
容量が2000Whもあれば、高出力の代表ともいえるドライヤー(1200w)を”強モード”で使っても、1時間以上使い続けられますし(そんなに使わんけど)、スマホの充電は160回以上も行うことができます。
(特徴2)圧倒的な高出力
AC200Pの定格出力は2000Wです。
W(ワット)とWh(ワットアワー)って何が違うの?
先ほど述べた2000”Wh”は、ポータブル電源の”容量”のお話でしたが、2000W(ワット)というのは「電気が仕事をする力=出力」という、また別のお話になります。
- W(ワット)=電力(電気が仕事をする力、出力)
- Wh(ワットアワー)=容量、電力量(消費する電力の量)
家電製品はそれぞれ必要となる”出力(電気のチカラ)”が違います。例えば、熱を作り出すような家電(電気ポッド、ドライヤー、ホットプレートなど)は、けっこう高い出力(800W〜1600W)が必要になります。
つまり低出力のポータブル電源では動かせないのね。
出力が2000Wあれば、高出力が必要なほとんどの家電が使用できます。
例えば、高い出力を必要とする代表格である電子レンジ、炊飯器、ドライヤー、ホットプレートなども余裕で使用できてしまいます。
BLUETTI AC200Pがあれば、電源のない場所では使うことができなかった様々な家電製品を自由に使うことができます。
キャンプなどのアウトドアや車中泊だけでなく、停電時の防災にもうってつけだね。
(特徴3)安全性の高い”リン酸鉄リチウム電池”
そもそも「リチウムバッテリー」って安全なの?
リチウムバッテリーって安全なのかしら?
ポータブル電源に搭載されている「リチウムバッテリー」は、ショートを起こしたり高温になった場合、発火や爆発をしてしまう可能性がゼロではありません。
過去にもリチウムバッテリーを搭載しているスマホ、モバイルバッテリー、パソコンなどが発火や爆発してニュースになったり、行政からも注意を喚起する情報発信がされています。
(出典:東京消防庁)
安全性の高い”リン酸鉄リチウム”
BLUETTI AC200Pに搭載されているバッテリーは、リチウムイオン電池の中で最も安全性が高い「リン酸鉄リチウムバッテリー」を使用しています。
(出典:BLUETTI公式)
「リン酸鉄リチウム」は、他のリチウム電池と比べて熱に強く安定しているため、発火リスクが一番低く「最も安全性が高いリチウム電池」と言われています。
いわゆる”三元系”や”リチウムポリマー系”のリチウム電池を使っているポータブル電源も多くありますが、リン酸鉄リチウム電池を使っているAC200Pは「安全性」という点において、大きなアドバンテージを持っています。
充電回数は3500回以上
リン酸鉄リチウム電池のもう一つの利点として”電池の持ちが良いこと”が挙げられます。
BLUETTI AC200Pの充電サイクル数(フル充電と放電を繰り返すことが何回できるかを示した数値のこと)は驚愕の3500回以上です。(※メーカー公表値)
3500回というと毎日容量を使い切って充電と放電を繰り返しても9〜10年、週に2、3回充電する使い方でも20〜30年以上も使用できる計算になるね!
この「3500回」というサイクル数は、一般的なポータブル電源と比べて5倍〜7倍も多い回数です。(三元系リチウムなどのポータブル電源は500〜700回くらいのものが多い)
(出典:BLUETTI公式)
一般的なポータブル電源よりも、バッテリー寿命が何倍も長くてコスパが良いことも、BLUETTI AC200Pの大きなメリットです。
(特徴4)最大17台のデバイスが同時に使える
多様な出力ポート
AC200Pには、以下のような種類の出力ポートがそろっています。
- AC100V出力(いわゆる家庭用コンセント):6口
- 15Wワイヤレス充電:2ヶ所
- Type-Cポート:1口 (60W Max)
- USB-Aポート:4口
- 12V/3Aポート:2口
- DC 12V/10Aシガーライターポート(シガーソケット):1口
- 12V/25A 車用ポート:1口
しかも、同時に合計17台の接続が可能です。
たくさんのデバイスに同時に接続できちゃうのね!
ちなみに、ワイヤレス充電ポートはワイヤレス充電対応のスマホ(iPhoneだと8以降)など、天板に置いて電源スイッチを入れるだけで充電できます。
充電ケーブルを忘れてもワイヤレス充電できちゃうのは便利だね。
(特徴5)操作しやすい液晶タッチパネル
AC200Pの物理ボタンは、電源ボタンしかありません。
電源ONとOFF以外の全て操作は、タッチパネルで行います。
操作がスマホみたいでわかりやすいわね。
一目でわかる「液晶表示画面」
液晶パネル(タッチパネル)を見れば、リアルタイムで充電と放電の状況がわかります。
使用中の電気器具の消費電力、バッテリー残量、充電量など、液晶パネルを見れば一目で確認できます。
液晶画面のおかげで暗闇でも見やすいので、夜の屋外で使用している時も便利です。
(特徴6)大型ポータブル電源 AC200Pの「サイズと重量」
大型ポータブル電源AC200Pはバッテリが大容量なので、容量に比例してサイズと重量も大きくなります。
AC200Pの「実寸サイズ」
AC200Pのサイズは、メーカー公表値は、約42cm(幅)×28cm(奥行き)×38.6cm(高さ)となっていますが、実際にで測ってみると(↓)
- 幅 :約42cm(カタログ値 42cm)
- 奥行:約30cm(カタログ値 28cm)
- 高さ:約38cm(カタログ値 38.6cm)
カタログ値とほぼ同じでした。
角(かど)が丸くなっているデザインだから、コンパクトに見えるね。
大きさを例えると、大き目のデスクトップパソコン(本体)くらいのサイズ感、もしくはクーラーボックスやファンヒーターくらいのサイズ感です。
重量は約30kg
AC200Pの重量はカタログ値は27.5kgですが、実際に測ってみると30.2kgありました(個体差があるのかもしれません)。
けっこう重くて、子供が持ち上げて運ぶには困難な重量です。(もちろん成人男性なら持ち運びできます)
BLUETTI AC200Pが活躍する場面は?
この大型ポータブル電源AC200Pって、具体的にどんなときに活躍してくれるのかしら?
今まで述べてきた特徴をふまえて、AC200Pが活躍する場面を挙げていきたいと思います。
活躍の場面(その1)災害時の非常用電源
「大容量で高出力」の特徴を持つ大型ポータブル電源AC200Pは、災害時の非常用電源として、大きな力を発揮してくれます。
災害時に”困ること”とは?
災害による停電が発生すると「困ること」を以下に挙げてみました。
- スマホが充電できなくなる(連絡が取れなくなる)。
- 冷蔵庫が使えなくなる(食料品が腐る)。
- パソコンやテレビが使えなくなる(情報収集ができなくなる)。
- IHクッキングヒーターや電子レンジなどの調理器具が使えず、調理ができない。
- 照明が使えなくなる(夜、部屋の明かりが無い)。
- 洗濯機、乾燥機が使えない。
- 冬、石油ファンヒーターなどの暖房器具が稼働しない(ファンヒーターも稼働電源が必要)
- 夏、扇風機やエアコンが稼働できなくなる。
このように、停電が発生すると、日常生活の中で深刻な困りごとが続出しますが、大型ポータブル電源AC200Pがあれば、ほとんど解決できます。
大容量で高出力なAC200Pは、洗濯機やアイコン、ドライヤー、テレビなどの家電製品にも対応できるため、台風や地震などによる停電時の備えとして最適です。
非常用電源として持っていれば、いざという時に安心だよね。
ガソリン発電機と比較してみる
災害時の発電機候補の1つとして、ガソリン式の発電機も候補の一つとして挙げられます。
しかし、ガソリン式発電機は、一般家庭の防災電源として個人的にあまりお勧めできません。
ガソリン式発電機の”欠点”
僕がガソリン式発電機が「一般家庭には向いていない」と考える理由を以下に挙げます。
- 自宅でガソリンを保管しておくのはリスクがある。
- いわゆるエンジンタイプなのでオイルを入れ替える必要があるなどメンテナンスも大変そう。
- 排気ガスが出るので発電機本体は屋外で使わなければならない。(室内には延長コードで引き入れる)
- 原付のようなエンジン音が常にしているため稼働音が気になる。
これらの理由から、ガソリン式発電機と比較すると、AC200Pのような大型ポータブル電源の方が扱いも簡単で安全なのでお勧めできます。
活躍の場面(その2)キャンプなどのアウトドア
大型ポータブル電源は、キャンプなどのアウトドアにも大活躍してくれます。
今までキャンプをやってきて、使いたかった(けど無理だった)電化製品がたくさんありました。
ずっとキャンプで使ってみたかった電化製品
こんな家電をキャンプで使ってみたかったんだよね。
- ドライヤー(水遊びの後や、キャンプ場にお風呂がある場合も共用ドライヤーは取り合いになる)
- ホットカーペット(冬キャンプで使いたい)
- コタツ(冬キャンプでやってみたかった)
- 電気毛布(家族分の電気毛布も長時間使える)
- 扇風機(夏は常時回しておきたい)
また、プロジェクターやドローン、ゴムボートやSUPなどの空気ポンプ、電気調理器具(電子レンジ、ホットプレート、低温調理器など)も使うことができます。
電源サイトを予約する必要はもうないね。
(注意)ワット数の出力制限がある電源サイトもある
キャンプ場の電源サイトにも使用できるワット数に制限があることがあります。(例えば「1000w以上は使えません」など)
電源サイトで高出力の家電を使う予定であれば、「予約するキャンプ場の電源サイトに出力制限が無いか?」を、事前に確認することも大事です。
活躍の場面(その3)車中泊
BLUETTI AC200Pがあれば、車中泊での環境をグンと快適にすることができます。
大きな出力と容量をも持つAC200。これ1つを車内に置いておけば無敵なんじゃない?
車中泊でオススメな使い方
以下に、車中泊でおすすめなAC200Pの使い方を挙げていきます。
- IHクッキングヒーターなどの調理器具が余裕で動かせる(車内で火器を使いたく無い人も多い)
- 電子レンジも使えちゃう(レトルトカレーとかレトルトご飯とか超便利)
- 冬の車中泊は寒いので、ホットカーペットや電気毛布が使えるのは神。
- コーヒーメーカー、炊飯器、電気ポット、冷蔵庫など余裕で使える。
- キャンピングカーや大型バン、キャンピングトレーラーなどの収納スペースが大きな車には置きっぱなしで使うと楽。
- キャンピングカーの場合、夏場にエンジンを止めてウインドエアコンが使えてしまう。
車内でガスを使った火器を使うのはちょっと心配だという人も、電気だと安心できるわね。
活躍の場面(その4)仕事現場
大容量かつ高出力なポータブル電源は、仕事の現場などでも実用的に使えそうです。
仕事の現場で使用する例
- 屋外での電動工具
- 夜間の投光器
- 芝刈り機
- 電動ノコギリ
- 人工呼吸器
他にも使い道がたくさんありそうだね。
BLUETTI AC200P「使って分かった5つの良い点」
実際に使ってみて感じた「AC200Pの良い点」を順番に挙げていきます。
(良い点1)どんな家電も出力を気にせずに使える
BLUETTI AC200Pがあれば、ほとんどの家電製品を容量や出力をいつでも気にすることなく使用できるという安心感があります。
従来のポータブル電源では動かせなかった「高い出力が必要な家電」をガンガン使えるのは、AC200Pの最大のメリットといえます。
家電の種類を気にせずに使えるのがいいね。
(良い点2)使用中の動作音が静か
実際にAC200Pを使ってみて、本体の動作音がとても静かなので驚きました。
ファンの音が常に稼働してるポータブル電源もあるからね。
BLUETTI AC200Pは、電源本体の温度を感知して、本体の温度を制御するためにファンが稼働します。つまり、本体の温度が上がらなければファンは回転しません。
(出典:BLUETTI公式)
実際に使用してみて分かったのですが、AC200Pは出力が大きいのに本体の温度はそこまで上がりません。これは動作が安定しているためと言い換えても良さそうです。
また、高出力な家電を稼働させて本体のファンが回っても、一般的な扇風機の”弱”くらいの音なので、そこまで気になりませんでした。
(良い点3)好みな「デザインと質感」
シンプルな「デザインとカラーリング」
AC200Pのデザインはシンプルで、落ち着いたグレーを基調としたカラーリングです。
シンプルなデザインと落ち着いたカラーのAC200Pは、どこに置いても周りに馴染んでくれます。
シンプルデザインが好きな人にはおすすめだよ。
出力ポートが「1面にまとめられている」
たくさんある出力ポートが1つの面にまとめられているデザインなので、本体を壁際などの隅っこに固定して置いておくことができます。
設置スペースが邪魔にならないね。
持ち手が出っ張っていない
“持ち手”が本体に収まっている(本体から飛び出していない)デザインなので、すっきりしていて収納時も持ち手がジャマになりません。
全ての出力ポートに”防塵カバー”
出力ポートには、全てホコリが入らないように防塵カバーが付いています。
DIYなどをする時(特にサンダーかけるときとか)チリやホコリが出力ポートに入らないよ。
(良い点4)充電時間が早い
家庭用コンセントから充電する場合は、専用の充電アダプターを使って、充電残量0からフル充電まで約4時間半で完了してしまいます。
バッテリ残量が半分くらいなら2~3時間で満充電できてしまいます。
なぜ充電時間が早いのか?
AC200Pの大容量バッテリーを4.5時間という短時間でフル充電できるのには、専用のACアダプターに理由があります。
その理由とは、AC200Pの専用充電器はかなり大きな電力(カタログ値500W)で充電できる設計になっているためです。(従来のACアダプターは100W〜200Wくらい)
(良い点5)ソーラー充電・シガーソケット充電にも対応している
家庭用コンセント(AC100V)からの充電以外にも、ソーラーパネルや車のシガーソケットからも充電が可能です。
ソーラーパネルを使った場合、最大で700wでのソーラーパネル充電が可能です。
(出典:BLUETTI公式)
家庭用コンセントとソーラーパネルを併用して充電可能
ACアダプタとソーラーパネルを併用すると、最大1200Wの高速充電が可能で最短で2時間ほどでフル充電が可能です。
購入前に知っておきたい「9つの注意点」
次にAC200Pを検討されている方向けに、購入する前に知っておきたい「注意点」を全部で9つ挙げていきたいと思います。
高価な買い物だから注意すべきポイントも把握しておきたいよね
(注意点1)けっこう重い
容量の大きなAC200Pは、重量が30kg近くあります。(カタログ値は27.5kgだけど測ったみたら30.2kgありました)
バッテリー容量と重さは比例する
バッテリーの容量と重さは比例します。つまり、バッテリー容量が多いほどそのぶん重くなります。
約30kgといえば、10kgのお米3袋分です。
持てないわけじゃないけど、気合が必要なレベルだね。
僕は以前ぎっくり腰をやってしまったことがあるので、持ち上げるときは気をつけています。(低い場所から持ち上げる時が一番腰に負担がかかるので注意)
女性や子どもが持ち運ぶのは、ちょっと厳しそうです。(持ち上げられるけど運ぶのは危なっかしい)
持ち手がしっかりしているので、成人男性なら両手で持って移動できますが、30kgの重量(米袋3つ分)があることは理解して購入しましょう。
(出典:BLUETTI公式)
距離のある移動は、台車やカートを使っての持ち運びが必須です。
大きさ、重さ、電力のバランスを考えての購入を!