イワタニの炉ばた焼器 炙りやを使い続けて8年目になります。(現在2台目)
キャンプや自宅などで愛用しています。
今回は、長年使い倒しているイワタニ「炉ばた焼き器 炙りや」について、以下のポイントを詳しくレビューしていきたいと思います。
- 「炉ばた焼器炙りや」とは?よくわかる「4つの特徴」
- 8年間使い続けてわかった「7つの良い点」
- 買ってから後悔しないための「9つの注意点・短所」と「対策」
- 快適に使うためのちょっとしたコツ、メンテナンス方法
- 炉ばた焼器 シリーズごとの相違点は?
- 炉ばた焼器炙りやが「向いている人・向いていない人」
(旧”炉ばた大将炙りや”のレビュー記事はこちら↓)
「炉ばた焼き器 炙りや」がよく分かる”4つの特徴”
「炉ばた焼器炙りや」ってなぁに?
簡単に言っちゃうと「ジューシーな網焼きが手軽に楽しめるカセットガス式コンロ」ね。
以下に、さらに詳しく「炉ばた焼器 炙りや」の特徴を全部で4つ、順番に解説していきます。
(特徴1)本格的な「網焼き+串焼き」が手軽に楽しめる
炉ばた焼器炙りやは、「炙りや」という名前の通り、お肉や魚介類、野菜、お餅など、いろんな食材を炙って、網焼きや串焼きを楽しむことができるコンロです。
出典:イワタニ公式
(特徴2)直火ではなく“輻射熱(赤外線)”で食材を調理
炉ばた焼器炙りやは、通常のコンロのように食材を”直火”で加熱せずに、”輻射熱”を使って調理する点が最大の特徴です。
出典:イワタニ公式
「輻射熱」ってなぁに?
輻射熱とは「赤外線の熱」のことだよ。炭火料理が代表的だね。
「輻射熱」とは、強い赤外線を使って食材を調理する方法です。
輻射熱(赤外線)で食材を加熱すると、表面を均一に、しかも素早く焼き上げることができるため、旨味を中に閉じ込め”外はパリッと中はジューシー”に仕上がります。
輻射熱で焼くと、肉汁を外に逃さないんだね!
(特徴3)燃料はカセットガス(=電源が要らない)
炉ばた焼器炙りやの燃料は、カセットガス(カセットボンベ)を使用します。
電源コンセントやコードが必要ないので、使う場所を選びません。
カセットガス缶は、コンビニやスーパーなど、比較的手に入りやすいので、忘れてしまったり、燃料切れになった時も助かります。
ガス缶1本でだいたい1時間半くらい使えるよ。
詳しくは後述しますが、イワタニ以外のガス缶でも使用できます。(メーカーは推奨していません)
よって、安いガス缶を探して購入するのがおすすめです。(最近はガス缶の値上がりが激しいので、Amazonなどで最安値を探すのもおすすめです)
(特徴4)どこでも使えるコンパクトなサイズ感
炉ばた焼器炙りやは、どんなテーブルの上でも余裕で使えるコンパクトなサイズ感です。
炙りやのサイズ(寸法)
炙りやのサイズは、幅40.9cm × 奥行21.4cm × 高さ13.4cm。
重量はわずか2.4kgしかありません。
持ってみると意外と軽いし、サイズもコンパクトなので、持ち運びも楽ちんです。
炉ばた焼器炙りや「使ってわかった6つの良い点」
「炉ばた焼器炙りや」 を8年間 使い続けて感じた良い点を、全部で6つ順番に紹介していきます。
(良い点1)”輻射熱”で焼くから断然うまい!
外側はパリッ、中身はジューシー!
直火を使わず、輻射熱(赤外線)で食材を炙るため、外側はパリッと、中はジューシーに焼き上がります。
炭火料理みたいに美味しく焼けるよ!
余分な脂を落としてくれる
ホットプレートで焼くと、水分や脂がプレートに残って食材がベタつくんだよな。
“炙りや”で焼くと、余分な油をトレーに落としてくれるよ!
炙りやは「網焼き」なので、肉や魚の余分な脂を、受け皿である水トレーに落としてくれる構造になっています。
(補足)輻射板はイワタニ独自の特許技術
このような「ガスの炎で輻射板を赤熱させ、輻射板から放射される輻射熱でおいしく焼き上げるアイデア」は、イワタニ独自の特許です。(特許第5254079号)。
出典:特許情報プラットフォーム
(良い点2)価格が良心的
炙りやの値段は、販売店にもよりますが、だいたい6000円〜9000円くらい。他の調理用品と比べて良心的な値段設定です。
構造もシンプルなので故障が少なく、長い間使えるためコスパが高い商品だと言えます。
(良い点3)インドアでもアウトドアでも使える!
炉ばた焼器炙りやは、電源が必要なく軽量で持ち運びもしやすいので、自宅はもちろん、(キャンプなどの)アウトドアでも使えます。
キャンプでも、おうちごはんでも 活躍してくれるのね!
(良い点4)「炭の面倒臭さ」から解放される!
バーベキューなどをやると、必ずやらなきゃいけないのが「炭起こし」と「後始末」。
けっこう面倒なのよねー
炙りやを使えば、めんどうな炭の準備と後始末から解放されます。
炙りやを購入してから、ほとんど炭を起こさなくなりました。
おまけに、炭では火力調節は難しいですが、炙りやはツマミで簡単に火力の調節ができます。
(良い点5)主張しすぎないシンプルなデザイン!
炉ばた焼器炙りやは、主張しすぎないシンプルかつ無骨なデザイン。
新モデル(炙りやⅡ)になって、色もマットブラックになり、さらにスタイリッシュになりました。(炙りや1は赤茶色でした↓)
これは好みですが、注意書きのシールをすべて剥がしてしまうと、よりシンプルなデザインになります。
ドライヤーを使うと簡単に剥がせるよ!
(良い点6)焼き網が頑丈でメンテナンスが楽!
購入時に付属している「専用焼き網」は、頑丈なステンレス製です。
100円ショップとかで売っている使い捨てタイプとはレベルが違う頑丈な作りだよ!
焼き網自体が堅牢なので、使用した後も金ダワシでゴシゴシこすると簡単に汚れが落ちるので、メンテナンスも楽ちんです。(かなり力を入れてこすっても、網が曲がってしまうことはありません)
(良い点7)イワタニならではの「安全性とサポート体制」
炉ばた焼器炙りやの製造・販売元であるイワタニ(岩谷産業)は、日本を代表する総合エネルギー企業です。
出典:イワタニ公式
日本を代表する上場企業イワタニならではの、製品に対して「高い安全性」と「信頼感」があります。
(1)熱に対する安全設計がしっかりしている
カセットボンベが加熱されて温度が上がり異常を感知すると、「圧力感知安全装置」が作動して自動的にボンベが外れて火が消えてくれます。
また、連続して使用しているとだんだん冷えてしまうガスボンベを、ホルダー部分に設置してあるヒートパネルで加熱して火力低下を防いでくれる機能も装備しています。
さすがカセットガスの老舗メーカーね!
(2)個別パーツの販売も充実している(=長く使える)
炙りやのパーツが破損・紛失してしまっても、イワタニではパーツのみの販売が幅広くあります。
公式ページでは、輻射板、専用焼き網、水入れトレー、串焼きステーなど、たくさんの種類をパーツ販売してくれています。
劣化したパーツだけを交換をしていけば、ずっと長く使えるね!
(3)サポートが手厚い(電話で問い合わせ可能)
製品の購入後も、しっかりとしたサポートを受けることができます。
商品に対する質問や問い合わせは、(今どきめずらしく)電話でも可能です。
海外メーカーだと、どこに問い合わせしていいのか分からず心配なんだよね。
故障した場合は、もちろん電話で修理も受け付けてくれます。(見積もりもOK)
購入前に知っておきたい「9つの注意点」と「対策」
長い間使っていると、製品の良い点だけでなく「注意点」や「欠点」もいくつか見えてきました。
以下に、購入する前に知っておいてほしい「注意点や欠点(とその対策)」などを、全部で9つ挙げていきます。
(注意点1)着火しにくいことがある
炙りやはツマミをひねって着火させる方式ですが、炎が付きにくい(手前側のコンロは着火するけど、奥側のコンロは火が付いていない)ことが時々あります。
そのような場合は、チャッカマンなどの先端の長いライターを使って炎が付いていない部分に着火するとスムーズです。(そのための穴もあります)
着火するコツとしては、(2秒くらいかけて)ゆっくりツマミを回すと着火しやすくなります。
(注意点2)焼く場所によって火力が違う
網の位置によって、火力の大小があり、全部の場所が均一に焼けるわけではありません。
下図(↓)のように、輻射板のある中央付近は火力が強く、端の方は火力が弱いです。
火力の弱い焼き網の端は、焼けた食材の避難場所として使用すると便利です。
(注意点3)煙がスゴい…
脂分が多い食材(焼肉、焼き魚、焼き鳥など)を焼くと、煙がスゴいことになります。
これらの脂分が多い食材を焼く場合は、換気扇の下で使用するか、屋外で使うことをお勧めします。(換気扇では排煙が追いつかないこともあります)
煙が出る1番の原因は、食材から焼け落ちた脂が 輻射板に垂れることによって起こります。
室内でお肉を焼くことをメインに考えているのであれば、煙が出にくいイワタニ「やきまる」をおすすめします。(脂を炎に落とさないことで煙を出さない仕組みになっています)
出典:イワタニ公式
室内でおすすめ食材は「貝・きのこ・野菜」
室内での調理は「貝、きのこ、野菜」など脂分が少ない食材を中心に焼くと煙が出ません。
煙は「燻煙効果」で旨くなる効果も
見落としがちですが、煙が出ることは欠点ばかりではありません。
煙が食材に付着することによって、スモークされて香ばしさと旨みが増す効果があります。
モクモク煙が出ているホルモン屋さんのお肉が美味いのは、この燻煙の効果もあるのね。
屋外で使用するときは、豪快に煙を出して焼いちゃいましょう!
(注意点4)油汚れの掃除が面倒
脂が多い食材(焼肉とか焼き魚とか)を調理した後は、本体に付着した油汚れを掃除する作業がなかなか面倒です。
油汚れを掃除するコツ
面倒な掃除を少しでも楽にできるように、まず本体から外せるパーツは全て外しましょう。
外したパーツは水洗いできるので、サッと洗ってしまいましょう。
水洗いができない本体に付着した油は、割り箸とキッチンペーパーを使って(下図のように)拭き取ると、割と簡単に掃除ができます。
(注意点5)「串焼きステー」は使えない!
炉ばた焼器炙りやは「網焼き」「串焼き」が両方楽しめる便利な製品です。
「串焼き」をする場合は、本体の「串焼きステー」を使って調理するように設計されています。
ただし、8年以上使ってきた経験から、この串焼きステーを使って串焼きをするのは骨が折れます。
以下に、「串焼きステーが使えない理由」を3つ挙げていくよ。
(理由1)串が安定しない
市販の丸い竹串に刺して焼くと、食材が偏った側(重さがある側)にクルッと回転してしまい、同じ面しか焼くことができません。
(理由2)焼くのに時間がかかる
ステーを使うと、構造上火から遠くなるので焼き網よりも時間がかかります。
(理由3)串が焦げて折れてしまう
ステーを使ってじっくり焼いていると、竹串が先に焦げて折れてしまうことが結構あります。
【結論】串焼きはステーを使わず「焼き網」を使うのが正解!
串焼きを楽しむのに、串焼きステーは必要ありません。
串焼きの時も「焼き網」に乗せて焼き上げる方法が、一番おいしく手早く調理できます。
どうしてもステーを使いたい場合
それでもステーを使って「焼き鳥屋さんの雰囲気を味わいたい」という方もいらっしゃるかも知れません。その場合は、以下のようにするとまだ使えます。
丸串でなく「鉄砲串」を使う
焼き網でなくてどうしてもステーを使いたい場合は、ひっくり返りやすい丸串では無く、平串(鉄砲串)を使うと、ひっくり返ることが少なくなります。
串を2本使って刺す
平串がない場合は(下図のように)食材を2本刺しにすると、ひっくり返らず焼くことができます。
ただ、食材を刺すのに2倍の時間がかかってしまいます。
(注意点6)しる受けトレー(水入れトレー)の注意すべき点
炉ばた焼器炙りやを使っていて面倒に感じることは、しる受けトレー(水入れトレー)の存在です。
トレーに水を入れるのがけっこう面倒なのよね(よくこぼす)。
トレーに水を入れないとどうなるのか?
トレーに水を入れないとどうなるの?
トレーに水が入っていない状態で使用すると、食材から落ちる油脂分に引火してしまい炎がたち続ける場合があります。
炎がたち続けると、過熱によってガス缶が爆発するおそれがあります。
また、トレーに水を入れないと、焼いている熱がテーブルに伝わりやすくなり、材質によってはテーブルを熱で傷めてしまう可能性があります。
使用中に水が少なくなったら、必ず水を補給しようね。
トレーと上手に付き合うコツ
水を入れたトレーをテーブルまで運ぶと、高確率で水をこぼしちゃうんだよね。
トレーに水を入れる時は、炙りやをテーブルに設置した後で、ペットボトルなどに水を入れて、トレーに注ぐと楽ちんです。(設置後に水をトレーに注ぐことがコツです)
使用後のトレー片付けのコツ
キャンプなどのアウトドアで使用した場合、油を受けたトレーの水処理がけっこう大変です。
キャンプ場では、汚れた水を捨てる場所が無いんだよね。
炊事場まで、油のたっぷり入ったトレーを運ぶのは大変な作業ですし(必ずこぼす)、油にまみれた水を地面に直接捨てられません。
「高吸水性樹脂」があると超便利!
その場合は「高吸水性樹脂CP-1」を使うと便利です。
高吸水性樹脂CP-1をトレーの水にサラサラ振りかけると、水分がみるみるうちに凝固するので、そのままゴミ袋に入れて処理することができます。
今まで捨て場所に困っていたトレーの水を、簡単にゴミと一緒に捨てることができるので便利です。
キャンプでカップ麺のツユを残した時にも便利だよ。