フィールドブロワ「イマイチな点と注意点」
続いてフィールドブロワを使ってわかった「イマイチと感じる点」と「注意点」について述べていきます。
(1)全く同じ性能なのにマキタと比べて値段が高い
前述しましたが、フィールドブロワは、マキタUB185Dと全く同じ性能です。
カラーとロゴが違うだけなので、値段重視なら(価格に変動はありますが4〜5000円ほど)マキタ製を選んだ方が安く手に入ります。
(2)吸引(集塵)機能はイマイチ
フィールドブロワは、ノズルの位置を変えて、吸引(集塵)機として使用できますが、ハンディ掃除機のような能力は期待できません。
吸引力が弱い
フィールドブロワの集塵機能が致命的なのは、吐き出す風量とは違って、吸引する力はそこまで強くないことです。(例えばカーペットなどに入り込んだゴミなどは吸いにくい)
そもそもメーカーの取説には「集”塵(=チリ)”機」と記載があります。チリを集めるのが主な機能なので、その名前の通り”小さなゴミ”程度しか吸引できません。
吸い込めないゴミの種類が多い
吸引できるゴミの種類も限定的で、フィールドブロワ取扱説明書の注意事項には「吸い込んではいけないもの」として以下のものを挙げています。(↓)
- ネジや釘など細かく硬いもの
- 濡れたゴミ、鋭利なガラス
- ヒモ状の物
- 落ち葉や小枝
上記のどのゴミも、吸い込んだ時にファンに絡まったり、吸い込み口で詰まったり、モーターにダメージを与えたりする可能性が高いと思われます。
出典:マキタ
記載はありませんが、キャンプで小石や砂利を吸い込んだ場合も、内部のファンやモーターにダメージがありそうなので注意した方が良さそうです。
細かいところまでノズルが届かない
また、ノズルやプラスチックのバーが付いたダストバッグ(ゴミ袋)の形状がジャマになって、狭い場所はノズルが届かないことがよくあります。
結論:集塵機能はオマケ程度なので期待しない
フィールドブロワは、掃除機の代わりにはなりません。吸引力の強い掃除機能がほしい場合は、別にハンディ掃除機を買ったほうが良いです。
(3)風速はスゴイが、全体の風量はまぁまぁ
フィールドブロワは、ピンポイントで風を送るのには適していますが、大きな対象物の全体に風を送りたい場合(例:大量の落ち葉を一度に吹き飛ばしたり、車のボディにある水滴を完全に飛ばし切りたい.etc)には、風量が足りないと感じることもあります。
フィールドブロワの”風速”は最大で98m/秒もありますが、”風量”は最大3.2 ㎥/秒です。これは風速はスゴイけど、全体の風量は”まぁまぁスゴイ”ことを表しています。
比較対象として、同じマキタ製の充電式ブロワの「MUB184」(↓)と比べてみると、
フィールドブロワの最大風量は3.2㎥/秒なのに対し、このMUB184は最大風量が13.0 ㎥/秒もあり、フィールドブロワの4倍も風量があります。
一度でたくさんの風を使って落ち葉や水滴を飛ばしたい目的の場合は、フィールドブロワよりもマキタMUB184も検討すると良いかもしれません。(ただし、フィールドブロワよりも大きいので取り回しがしにくいのと、重量が2.8kgもあるので重さはあります)
(4)長時間の使用は疲れる
スイッチの引き金(トリガー)が重くて疲れる
稼働中はずっと引き金を引いていないとならないので、フィールドブロワを長時間使っていると指が痙攣しそうになります。
かがむ姿勢は、腰に負担が大きい
地面や床などの低い場所に、腰をかがめた状態で風を当て続けていると、腰に負担がかかりやすいです。
別売のガーデンノズルを使うと、ノズルが長くなりかがむ姿勢でなくなるため、腰への負担が軽減されます。
(5)音が大きい(騒音レベル)
フィールドブロワの風量を「3(強)」の状態にして、Apple Watchでノイズ計測をしてみると「95デシベル」もありました。
100デシベルで「電車が通る時のガード下」くらいの騒音なので、フィールドブロワの音量はけっこうな騒音レベルです。
早朝や深夜の使用は、周りに人がいると確実に迷惑がかかる音量なので注意が必要です。
(6)収納ケースが付属してない
フィールドブロワには、専用の収納ケースは付属していません(外箱しかありません)。キャンプなどへの持ち運びには収納するケースや袋があった方が便利です。
フィールドブロワの収納ケースとして、スノーピークのマルチコンテナM(UG-074R)が使えます。
ノズルとバッテリを外して入れると、ピッタリ収まります。
フィールドブロワの各パーツを全部収納して、しっかりと閉じることができます。
次回は「改善してほしい」ポイント
今までレビューしてきた内容を含めて、今後 フィールドブロワのマイナーチェンジ版が出たときに、ぜひ”改善してほしいポイント”がいくつかあります。
- トリガーのホールド機能をつけてほしい(使用中ずっと人差し指を引きっぱなしなので指がとても疲れる)
- バッテリーと充電器のセット販売バージョンも別に出して欲しい。
- 持ち運び用の専用ケースを出して欲しい。
- ノズルの吹き出し口が広いものを出してほしい。(テントの水滴を落とすときにより便利そう)
- マキタの同等品と比べて、スノピ版は値段が高いので、もう少し安くして欲しい(無理か)

フィールドブロワと全然関係ないけど、マキタの充電式クーラーボックスもスノピから出してほしいな〜
まとめ
今回は、スノーピーク フィールドブロワについて、詳しくレビューさせていただきました。
最後に今までレビューさせていただいた内容の”まとめ”として、フィールドブロワが「向いている人」と「向いていない人」を箇条書きで羅列しておきます。
フィールドブロワが「向いている人・向いていない人」
フィールドブロワが「向いている人」

フィールドブロワが向いている人はこんな人だよ
- テントやタープの乾燥撤収を効率的に行いたい人
- 掃き掃除の時間短縮を切望している人
- 強力な送風機能を持ったブロワを探している人
- 持ち運びが便利なブロワを探している人
- コンパクトで片手でも扱える、取り回しの良いブロワを探している人
- もうすでにマキタの製品やバッテリを持っている人
フィールドブロワが「向いていない人」

フィールドブロワが向いていない人はこんな人だよ
- 最大風量がMAXなブロワを求めている人(もっと高出力のブロワがあります)
- 少しでも価格が安い同性能のブロワが欲しい人(マキタがお勧め)
- 吸引力の高い”掃除機”機能も求めている人(吸引機能はイマイチです)
- 毎回一度に10分以上連続でブロワを使い続ける人(トリガーを引きっぱなしにしないといけないので指がもたない)
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
フィールドブロワは、キャンプや日常生活に「必須」な道具ではありませんが、あればいろんな作業を時短できるかなり便利な道具です。

一度使うとクセになります。おすすめです。