コンパクトながら大容量のポータブル電源「BLUETTI(ブルーティ)EB55」。
BLUETTIさんからご提供いただき、しばらく使ってみたので、以下のポイントについて詳しくレビューさせていただきます。
- BLUETTI EB55 がよくわかる「4つの特徴」
- 実際に使って分かった「6つの良い点」
- 購入前に知っておきたい「7つの注意点」
- 次回は改善してほしい「惜しいポイント2つ」
- EB55が「向いている人・向いていない人」
BLUETTI EB55のことが「よくわかる4つの特徴」
最初にBLUETTI「EB55」の特徴を全部で4つ、紹介していきます。
(特徴1)コンパクトなのに大容量バッテリー
BLUETTI EB55は、市場に出回っているたくさんのポータブル電源の中で、サイズ・重量ともにいわゆる「コンパクトタイプ」のカテゴリーに入るポータブル電源です。
BLUETTI EB55のサイズ・寸法
EB55のサイズ(寸法)は以下の通りです。
イメージとしては500mlペットボトル12本分と同じくらいのサイズ感です。
重量は7.5kg
重さは7.5kg。ポータブル電源の中では”軽い”部類に入ります。
本体に「取っ手」が付いていて、女性でも片手で持つことができます。
バッテリー容量は537Wh!
これだけコンパクトなサイズにもかかわらず、EB55のバッテリー容量は537Wh(=168000mAh)もあります。
スマホやパソコンなどを充電するモバイルバッテリーの容量はだいたい10000mAh前後なので、モバイルバッテリー16個分も容量があると考えると、コンパクトタイプのポータブル電源にしては、かなりの大容量バッテリーを搭載していることがわかります。
この容量であれば、1泊2日のキャンプや、車中泊だったら余裕なバッテリー容量と言えます。
(特徴2)消費電力の大きな家電も使える (定格出力700W)
BLUETTI EB55は出力が700Wあります。(出力が大きければ大きいほど消費電力の大きな家電などを動かすことができます)
ポータブル電源の中では出力が大きいタイプだね。
出力が700Wあれば、災害時の停電などで、ある程度大きな消費電力が必要な家電も使うことができます。
例えば、テレビの消費電力は100W前後。石油ファンヒーターは100W〜400W。冷蔵庫の消費電力は50〜60W。
いずれもBLUETTI EB55であれば、どれも問題なく使用できます。
万が一の大規模停電に備えておけるのは心強いね。
(特徴3)13台デバイス同時給電が可能
BLUETTI EB55には、以下のような多彩な出力端子があり、さまざまな電子機器や家電に接続することができます。
- 家庭用コンセント(AC出力)(4つ)
- USB-A (4つ)
- USB-C (1つ)
- DC5521出力 (2つ)
- シガーソケット(1つ)
- ワイヤレス充電(1つ)
出力ポートは合計13個。それぞれの出力ポートから同時に充電を行うことができます。
たくさんのデバイス機器を同時につなげて充電が可能です。
ワイヤレス充電にも対応しているので、iPhoneなどを上部に置くだけで充電できてしまいます。(事前に電源ボタンは押しておく必要があります)
(特徴4)安全性の高い「リン酸鉄リチウム電池」採用
EB55に搭載されているバッテリーは、リチウムイオン電池の中で最も安全性が高い「リン酸鉄リチウムバッテリー」を使用しています。
出典:BLUETTI公式
リン酸鉄リチウムは、他のリチウムと比べて、熱に強く安定している(電池内部で発熱しても結晶構造が崩壊しにくい)性質を持っており、リチウム電池の中で最も安全性が高いリチウム電池と言われています。(電気自動車のバッテリーにも採用されている)
出典:BLUETTI公式
リチウム電池の中でも”三元系”や”リチウムポリマー系”を使っているポータブル電源も多い中で、リン酸鉄リチウム電池を使っているBLUETTI EB55は「安全性」という点において大きなアドバンテージがあると言えます。
BLUETTI EB55を実際に使って分かった「6つの良い点」
実際に使ってみて感じた「EB55の良い点」を全部で6つ、順番に挙げていきます。
(良い点1)キャンプでスマホやカメラのバッテリー残量を気にせず使える
キャンプに行くと、スマホやカメラなどのバッテリー残量が時間が経つにつれて気になってきます。
充電が減ってくるとソワソワしてくるんだよね(重症)
僕が普段キャンプに持っていく充電が必要なギアは、iPhone、Apple Watch、iPad、GoPro、一眼デジタルカメラ、LEDランタン、予備の充電池、モバイルバッテリーなど、たくさんあります。
家族キャンプの場合は、家族分のiPhoneやApple Watch、ニンテンドーSwitchなどたくさんの電子機器が追加されてて、さらに電池残量が心配になります。
ポータブル電源があれば、スマホ、カメラ、タブレット、LEDランタンなど、何個でも何回でも好きな時に充電することができます。
残量を気にせずガンガン使えるわね!
キャンプ前日に欠かせなかった「全てを充電満タンにすること」を忘れてもいい!
ポータブル電源を持っていなかった時は、キャンプの前日に、全ての電気製品(スマホ、カメラ、モバイルバッテリー、LEDランタン、単3と単4の充電池など)の充電を繰り返す必要がありました。
ポータブル電源があれば、キャンプ場でも充電できてしまうので、前日に満タンにすることを忘れてしまっても問題ありません。
(良い点2)「コンパクト・軽量」はやっぱり正義!
今までも色んなポータブル電源をキャンプに使ってきました。
大容量のポータブル電源も魅力的なのですが、1泊のキャンプであれば、そこまでの大容量ポータブル電源は必要ありません。
大きくて重い大容量ポータブル電源を、車に積んでキャンプ場に持っていくのは大変だし、車載スペースの確保も大変です。
EB55は「コンパクトな割に容量が必要十分」というバランスの取れたポータブル電源です。
EB55くらいのコンパクトさであれば、車に積んでもスペースを取りません。
一泊のキャンプで(電気ではなく)ガスで調理するスタイルであれば、EB55のバッテリー容量で十分です。
EB55は重さをそこまで感じない
EB55の重さは7.5キロ。ずっしりとした重さはあるけど、持ち手もしっかりしていて女性が片手で持っても苦ではない感じ。(奥さん談)
家の中での移動や、家から車まで持って運ぶ程度なら苦ではありません。
(良い点3)好みな「デザイン」と「質感」
EB55のデザインはシンプルで、落ち着いたグレーを基調としたカラーリング。
シンプルなデザインと落ち着いたカラーのEB55は、どこに置いても周りに馴染んでくれます。
もちろんキャンプサイトに置いても、目立つことなく他のキャンプ道具とちゃんと調和してくれます。
他のいろいろなポータブル電源と比べて、個人的に好みなデザインです。
考えられた直方体デザイン
EB55は、持ち手が本体にぴったり収まる(本体から飛び出さない)デザインなので、持ち運ばない時は「直方体の形状」になります。
直方体なので、本体の上や横に荷物をピッタリ重ねて置くことができます。
自宅に収納するときや(↓)、
車に積み込む時も、デッドスペースが生まれにくく、収納しやすいメリットがあります。
フラットな天板には充電中の機器をそのまま置けたり、使っていない時は小物を置くこともができるので、全体的に省スペース化できるのも嬉しいポイントです。
機能とデザインを両立させているわね。
シンプルデザインが好きな人にはおすすめだよ。
(良い点4)コスパの高いリン酸鉄リチウムバッテリー
バッテリー寿命が長い
BLUETTI EB55に搭載されているリン酸鉄リチウム電池は、一般的なポータブル電源と比べて「バッテリーの寿命が長い」という特徴があります。
出典:BLUETTI公式
リン酸鉄リチウム電池を搭載しているBLUETTI EB55のサイクル数(フル充電と放電を繰り返すことが何回できるかを示した数値=バッテリーの寿命)は2500回以上!(メーカー公表値)
2500回という数は、一般的なポータブル電源と比べて、3倍〜5倍も多い回数です(三元系リチウムなどのポータブル電源は500〜700回くらいのものが多い)。
2500回というと、毎日容量を使い切って充電と放電を繰り返しても6〜7年、週に2、3回充電する使い方でも20年以上も使用できる計算になるね!
一般的なポータブル電源よりも、バッテリー寿命が何倍も長く、コスパが良いことも、BLUETTI EB55の大きなメリットです。
(良い点5)災害時の非常用電源として「持っている安心感」がある
EB55のバッテリー容量と出力があれば、台風や地震などで停電した時でも非常用電源として最低限の電化製品を使うことができます。
災害が来ても、しばらく耐えられると思うと安心できるよね。
数日分のスマホなどの充電や、灯りの確保などを行って、非常時を乗り切ることができる”安心感”があります。
(良い点6)シガーソケット充電・ソーラー充電にも対応している
家庭用コンセント(AC100V)からの充電以外にも、ソーラーパネルや車のシガーソケットからも充電が可能です。
一般的な車のシガーソケット電源(12V)に付属のケーブルを繋げば充電が可能です。
車の移動中でも充電ができちゃうね!
ソーラーパネルでの充電は、最大200Wの充電が可能です。
MC4ソーラー充電ケーブルが購入時に付属しているので、このMC4コネクタをソーラーパネルに繋げばすぐに充電が可能です。
バッテリーが減っても外で充電する方法があると助かるよね。
その他、地味だけど良いと感じた点
その他に地味で細かいけど、僕的にはツボだったEB55の良い点を箇条書きで記載しておきます。
- 使用中と充電時の動作音が静か
- ディスプレイの表示が直感的で分かりやすい(入力ワット数と出力ワット数が表示)
- USB-Cは100WPD対応(iPhoneやノートパソコンなどを急速充電できるのが嬉しい)
- マイナス20℃の環境下でも放電が可能(冬キャンプにも使える)
- パススルー充電対応(充電と放電を同時におこなってもバッテリーが傷まない)
- 背面LEDライトが大きくて便利
- 説明書も日本語表記で分かりやすい(昔のBLUETTIの説明書と比べて、詳細な内容になった)
- 電源周波数は50Hz/60Hzの両方に対応(東西どの地域でも安心して使用することができる)
購入前に知っておきたい「7つの注意点」
BLUETTI EB55を購入する前に知っておきたい「注意点」を全部で7つ挙げていきます。
(注意点1)充電に時間がかかる
標準のACアダプター(家庭用コンセント用)で充電すると、バッテリー残量0の状態からだと約6時間30分かかります。
さすがに残量0から充電することはあまりない事だと思いますが、バッテリー残量が半分くらいであれば充電には3時間以上かかることを想定して事前に充電しておく必要があります。
(注意点2)700W近い消費電力の家電は使えないこともある
カタログ値は最大700Wの消費電力の家電が使えることになっていますが、主に熱を発生させる家電(ドライヤーや電気ケトル、IHクッキングヒーターなど)は、加熱時に出力が上がるため定格出力以上の電力を必要とする場合があります。
よって起動電力(サージ電力)が大きい家電はEB55で使えない場合もあります。
ちなみに消費電力700Wのアイロンや600WのドライヤーをEB55に繋いでみたのですが、使用できませんでした。(はじめは稼働するけどそのうち止まってしまう)
700Wに近い消費電力の家電製品が全て使用できるわけでない、ということは購入前に知っておいた方がよさそうです。
消費電力の高い家電(炊飯器、電気ケトル、IH調理器、ドライヤーなど)は使えない場合があるってことね。
(注意点3)雨や結露に注意(防水性能はない)
BLUETTI EB55には防水性能がありません。
雨に濡れたり結露が付いたりすると故障の原因になるので、屋外に置きっぱなしの状態は避けましょう。
(注意点4)低温時はバッテリー消耗が早い
EB55は、マイナス20度の環境でも放電が可能です。
ただし、低温の環境では、バッテリの消耗スピードが速くなります。
雪中キャンプなど気温が氷点下になる環境で使用する場合は、少しでも暖かい場所に設置することが必要です。
(注意点5)電源の切り忘れに注意
オート電源OFF機能はありません
EB55は電源をONにすると、手動で電源OFFにしない限りバッテリーが減り続けてしまいます。
充電や給電を終えてケーブルを外しても電源が自動でOFFになる機能はありません。電源OFFを忘れると、常に「待機状態」となりバッテリー容量が少しずつ減り続けていくので注意が必要です。
電源ランプが点いてる限り本体バッテリーは減り続けるんだね。
AC出力にのみ「エコモード」という自動OFFの設定がありますが、自動OFFになるには条件があります。(次で述べます↓)
(注意点6)エコモード設定はAC電源のみ可能
「BLUETTI EB55」は、ACの出力が10W以下で4時間継続すると、自動的にAC出力をOFFにしてくれる「エコモード設定」という機能があります。
DC電源は自動で電源が切れない
便利な機能なのですが、エコモード設定の対応はAC電源(コンセント)だけです。DC電源(USBなど)には対応していないので、電源の切り忘れにはどちらにしても注意が必要です。
仮にDC出力が電源ONの状態で放置してしまった場合、何もケーブルを接続していなくてもDC出力は数ワットの電力消耗があるため、電源を手動で切らないと本体の容量は少しずつ減っていきます。
(注意点7)長期間使わない時も充電を忘れないこと
ポータブル電源は電源OFFの状態でも、そのまま放置しておくとバッテリー容量がだんだん減っていきます(自己放電といいます)。
バッテリー残量が”0%”になったまま放置するとバッテリー寿命が悪くなる可能性もあります。(過放電状態と言います)
「いざという時にすぐ使えるため」と「バッテリー寿命を長持ちさせるため」に、長期間使用しない場合も、最低でも半年に1回はフル充電になるまで充電を行うことが大事です。
次回は改善してほしい「2つの惜しいポイント」
実際に使ってみて、次回モデルチェンジの時には「ここを改善してもらえると完璧なのになぁ」と感じる「惜しいポイント」を2つ、述べさせていただきます。
(1)電池残量がざっくり表示
EB55の電池残量表示は5段階で表しています。
5段階表示だと、ザックリとしか残量がわからないので、バッテリー残量がパーセント表示になるともっと便利だと思います。
(2)電源の点灯が見づらい
電源の点灯ランプが小さいので、電源が付いているのか付いて無いのかが分かりづらい時があります。
特に昼間の屋外は太陽光の影響で分かりづらく、うっかり電源を切り忘れてしまうことがありました。
電源を消し忘れると、待機電力の消耗でバッテリー容量が少しずつ減ってしまうので、もう少し電源ランプの点灯が見やすいと助かります。
まとめ
今までBLUETTI EB55についてレビューしてきたことを、以下に簡単にまとめてみました。
他のポータブル電源と比べてBLUETTI EB55が優れている点
他のポータブル電源と比べてBLUETTI EB55が優れている点をまとめてみました。
- コンパクトな割に大容量なバッテリー
- リチウム電池の中で最も安全性が高い
- バッテリー寿命が長い(2500回以上充電できる)
- 接続ポートの種類と数が多い
- 寒さに強い(ー20℃まで使用可能)
- バッテリー容量が多い(716Wh)
- 定格出力が700Wあるので、色んな家電が動かせる
- デザインがシンプルで収納に便利な直方体
- カーチャージバッテリーを別売りで買わなくても良い
BLUETTI EB55が「向いている人・向いていない人」
今まで述べてきたことをまとめて、ポータブル電源BLUETTI EB55が「向いている人」と「向いていない人」を箇条書きで挙げておきます。
EB55が「向いている人」
EB55が向いている人はこんな方です。
- 小型だけど容量のあるポータブル電源を探している人
- 持ち運びが多い人(軽くてコンパクト)(長距離では車での持ち運びが必須)
- 安全性を重視してポータブル電源を使いたい人(リン酸鉄リチウム電池)
- キャンプに持っていく複数のスマホやカメラなどの充電残量が気になる人
- バッテリー寿命の長いポータブル電源を探している人
- キャンプで前日の充電がわずらわしい人
- 万が一の災害停電に備えておきたい人
- 冬キャンプや雪中キャンプにも使いたい人
- シンプルなデザインが好きな人
EB55が「向いていない人」
EB55が向いていない人はこんな方です。
- エアコン、電子レンジ、ドライヤーなど、高出力な家電を動かしたい人(もっと大容量・高出力のポータブル電源があります)
- 長期間の車中泊やキャンプなどに使用したい人(もっと大容量が必要)
- 本体7.5kgの重量が重く感じる人(もっと軽いポータブル電源もあります)
- 充電時間を極力短くしたい人(別売りで200wの充電器を購入する必要があります)
さいごに
ポータブル電源「BLUETTI(ブルーティ)EB55」のおかげで、アウトドアの利便性が大きく向上しました。
コンパクトで比較的容量の大きなポータブル電源を探して見える方におすすめです。
1泊2日のキャンプに最適ですよ!