キンドリングクラッカーを使って薪を割ったら、
今までの薪割りの苦労はいったい何だったの?
って思うくらい、薪割りと焚き付け作りが快適にできるようになりました。
今回は、キンドリングクラッカーについて、以下のポイントを詳しくレビューさせていただだきます。
- なぜキャンプで薪を割る必要があるのか?
- キンドリングクラッカーとは?
- 誰にでもできる「かんたんな使い方」
- 実際に使って感じた「7つの良い点+α」
- 気をつけておきたい「6つの注意点」
- 台座に固定する必要はあるの?
- キンドリングクラッカーが向いてる人、向いていない人
なぜキャンプで薪を割る必要があるのか?
なんでキャンプで薪を割る必要があるの?
薪が太いままだと、焚き火や薪ストーブに着火しにくいからだよ。
太い薪は火がすぐ点かない
薪には、細い薪、太い薪、柔らかい薪、堅い薪、、いろんな種類があります。また販売店によっても薪の種類が違います。
一般的に、太い薪や堅い薪は「火持ち」はいいのですが、なかなか火が付いてくれません。
太い薪のままだと、薪ストーブに入らないこともあります。
火が付きやすい「焚き付け」にする必要がある
火が付きにくい太い薪は、細かく割ると火が付きやすくなります。(この状態を「焚き付け」と言います)
まず、薪を細かく割った「焚き付け」に着火して、徐々に火が長く持つ「太い薪」を燃やしていくと、スムーズに焚き火や薪ストーブを楽しむことができます。
キンドリングクラッカーとは?
キンドリングクラッカーは、「誰でも、気軽に、楽しく、安全に、薪割りができる」ニュージーランド生まれの薪割り道具です。
キンドリングクラッカー(Kindling Cracker)とは、kindling(薪)を、cracker(割る器具)。シンプルなネーミングだね。
略して「キンクラ」って呼ばれてるよ。
キンドリングクラッカーは、従来の(斧や鉈、ノコギリなどを使う)薪割りと違って、ハンマーを使うだけで薪が簡単に割れてしまう、画期的な薪割り道具です。
「誰でも安全に薪を割れるように」との思いで、当時13歳のAyla Hutchinson(エーラ・ハッチソン)さんが発明をされました。すばらしい。
斧で薪を割っているお母さんのケガを心配して考案したんだって!
誰でもわかる「キンドリングクラッカーの使い方」
キンドリングクラッカーで薪を割る方法は、以下の手順で誰でも簡単に薪割りが出来ます。
(手順1)軽くたたく
薪をリングの中心部分(刃の上)に置き、片手で薪を支えて、刃にあてながらハンマーで軽くたたきます。
ハンマーで軽く叩いて、刃に薪を食い込ませて固定してね。
(手順2)力を込めてたたく
手の支えを外して、今度は力を込めてハンマーで薪をたたき割ります。
(手順3)割れる
「パカーン」という気持ちの良い音がして、薪が真っ二つに割れます。
割れた薪を拾って、次の薪を割るために「手順1」に戻ります。
キンドリングクラッカーの「サイズとスペック」
キンドリングクラッカーは、強度の高い鋳物(ダクタイル鋳鉄)で出来ています。
(画像はイメージです)
キンドリングクラッカーの寸法
キンドリングクラッカーの寸法は以下の通りです。
- リングの外径:19cm(内径17cm)
- 高さ:31cm
1.5Lペットボトルとほぼ同じ高さです。
重量は4.8kg。どっしりとした重さがあり安定感があります。
リングを持って、片手で楽に持ち上げられる重さです。
薪割り可能な薪のサイズ
割ることのできる薪のサイズは、(メーカーによると)長さ50cm、太さは直径14cm(14φ)まで対応しています。
実感としては、リングの内径が17cmなので、内径の約3分の2に収まるくらいの薪なら割ることができます。
キャンプ場やホームセンターなどで販売している薪も、問題なく割ることができるよ。
キンドリングクラッカーを使って感じた「7つの良い点」
キンドリングクラッカーを実際に使って感じた「良い点」を、全部で7つ順番に述べていきます。
【良い点1】とにかく簡単に薪が割れる
今までの苦労はなんだったのかしら…
って、思うくらいに簡単に薪が割れます。
斧や鉈(なた)はテクニックとパワーが必要
キンドリングクラッカーと違い、斧や鉈(なた)を使って薪を割る作業は、実際にやってみると想像以上に労力を使います。
斧や鉈を振り下ろして薪を割る作業は、テクニックとパワー、さらには(刃物を振り下ろしたり、割った薪が飛ぶため)広めの作業スペースも必要です。
広葉樹などの堅い薪だと、相当なパワーが必要な場合もあります。(引っかかって斧が抜けなくなることも)
キンドリングクラッカーはテクニックもパワーもいらない
キンドリングクラッカーは、薪を割るのに必要なテクニックやパワーは必要ありません。
キンドリングクラッカーに薪を置いてハンマーで叩くだけで、薪がスパッと面白いように割れます。
薪を割るペースも早くなるので、あっという間に焚き付けが大量生産されます。
【良い点2】割れた音(カコーン)が気持ち良い!
割れた薪が金属に当たって「カコーン!」と音が鳴って、スパッと薪が割れる。この瞬間、なんとも言えない爽快感を感じることができます。
斧で薪を割った時と同じような快感を味わえるよ。
割るたびにスカッとして、ついついもう一度やりたくなります。(楽しい)
キンドリングクラッカーは、使い始めると薪がもっともっと割りたくなる中毒性があります。
ストレス解消にもいいわ〜
【良い点3】堅い広葉樹の薪も割れる
斧や鉈で堅い薪を割るのって、けっこう大変なんだよね。
キンドリングクラッカーなら硬い広葉樹の薪でも、ハンマーを振り下ろすだけで簡単に割ることができてしまいます。(注1)
(注1)後述しますが、硬い薪を割るにはそれなりに重いハンマーが必要で、ペグハンマーなどの1kg以下のハンマーでは割れない薪もあります。オススメのハンマーについては後述します。
【良い点4】ケガする心配がない
僕のような薪割り素人が、斧や鉈を使って薪割りをする時、一番心配なのは「ケガ」です。
不器用な僕の場合、斧を使うたびに手を切りそうで緊張しますし、子供にやらせる時はもっと緊張します。
キンドリングクラッカーは、刃の部分に手が入らないよう「安全リング」に囲まれているため、(斧を使うよりも)ケガの心配はグンと減ります。
斧とキンドリングクラッカーでは、薪割りをする時の「気の使い方」がかなり違ってきます。
子供でも安心して使える
構造上、ケガをする心配がないため、子どもにも安心して使わせることができます。
安全に、しかも簡単に薪割り作業ができるので、子供たちも楽しんでやってくれます。(取り合いになることもしばしばです)
【良い点5】意外と収納スペースを取らない
見た目は大きめに感じるキンドリングクラッカーですが、下の画像にある「空間部分」を利用することで、意外と収納スペースを取らずに車に積み込むことができます。
キンドリングクラッカーの空間部分がある両端にキャンプ荷物を入れ込むと、収納スペースを節約できます。
キンクラの両サイドには、柔らかいソフトケースや、キンクラの高さ(31cm)よりも低い荷物を入れると、収納スペースが効率的に確保できます。
持ち運びに便利なケース・カバー
キンドリングクラッカーに専用ケースは付いていませんが、持ち運びにケースが必要なら、ロスコの 「ウォーターバケット ナチュラル M」がピッタリでおすすめです。
【良い点6】キャンプに馴染む美しいデザイン
まさに機能美といえるシンプルかつ無骨なデザインは、キャンプシーンに馴染みます。
どこに置いても、さりげなく存在感を演出してくれます。
【良い点7】最小限のスペースで薪割りができる
イスに座りながらハンマーを振り落とすだけで薪を割ることができるので、最小限のスペースで作業ができます。
薪ストーブを使う時、斧を使っていた時は、振り上げる動作で誤って幕に傷を付けてしまうリスクがあったので幕内ではやらないようしていました。(外で薪割りしていました)
キンドリングクラッカーだと最小限のスペースでできるので、同じ幕内で薪割りが可能です。
外で薪割りしなくていいから、寒くないね!
その他「地味に便利な点」
その他にキンドリングクラッカーの地味に便利だと思う点について挙げていきます。
メンテナンスがほぼ必要ない
キンドリングクラッカーは、鋳物でできた超シンプルな製造物なので、特にメンテナンスの必要はありません。
万が一、刃が欠けたり、切れ味がにぶってきたら、平ヤスリ(中目の鉄用ヤスリ)でメンテナンスが可能です。
ひっくり返すとイスになる
キンドリングクラッカーをひっくり返すと、簡易的なイスにもなります。
ずっと座っているとおしりは痛くなるけど、少しのあいだ座るには問題ありません。
長さのあるキャンプ道具を立てたまま置ける
キンクラを薪割りに使わないときは、火吹き棒や火バサミなど長さのあるキャンプ道具を立てて置けるので(地味に)役に立ちます。
道具を寝かせて置いちゃうと、必要な時に見つかりにくいんだよね。
気をつけておきたい「6つの注意点」
次に、 実際に使ってわかった「気をつけておきたい6つの注意点」について順番にお伝えしておきます。
【注意点1】軽いハンマーでは割れない
堅い薪を割る場合は、重量のあるハンマーが必要です。キンドリングクラッカーで「薪が割れない」とおっしゃる方は、たいていの場合ペグハンマーなどの軽いハンマーを使っている場合が多いです。
キンドリングクラッカー公式サイトでは、重さ3〜4ポンド(約1.3kg〜1.8kg)のハンマーを推奨しています。
ちなみにテントの設営に愛用しているスノーピークの「ペグハンマーPRO.C」の重量は670g。キンドリングクラッカーの薪割り用としては物足りません。
キンクラにおすすめのハンマー
重量があって、見た目も悪くない、キンドリングクラッカーに適した「おすすめハンマー」をご紹介します。
大五郎 石頭ハンマー 1.5kg
僕が使っている「大五郎 石頭ハンマー1.5kg」。シンプルで無骨なデザインがキンドリングクラッカーと相性バツグンです。
もともとヘッド部分が赤色だったので、スプレーで黒色に着色しました。
WORKPRO 両口ハンマー 3ポンド(約1.7kg)
建築現場などでプロが使用する、このハンマーもデザイン的に好みです。