スノーピークの灯油ストーブ(こんろ)「タクード」を購入して、満足して使い続けています。
今回はスノーピーク「タクード」について以下の点について詳しく解説していきます。
- タクードの特徴
- 使ってわかった「8つの良い点」
- 事前に知っておきたい「5つの注意点」
- ちょっと残念に感じた点
- タクードを快適に使うためのコツと便利な道具
スノーピーク「タクード」3つの特徴
【特徴1】石油ストーブではなく石油コンロ
タクードは石油ストーブではない?
見た目は「石油ストーブ」以外の何ものでもないスノーピーク「タクード」。
スノーピーク(snow peak) タクード KH-002BK
実は、正式な種別は「石油ストーブ」ではありません。
タクードは「煮炊き用 石油コンロ」
タクードの製品シールには以下のような表示があります。
煮炊き専用のコンロ?
スノーピーク公式サイトの説明にも
「鍋など煮込み調理に適した高効率石油こんろ」
と記載があり、「ストーブ」ではなく、調理用の「こんろ」と説明されています。
もちろんストーブとしての暖房効果もある
もちろんタクードは、石油ストーブとしての役割(暖房効果)も持ち合わせています。
ただし、ストーブの側面ではなく、ストーブ上部からの熱によって暖まります。
タクードは昔ながらの「火鉢」に似ています。
側面に手をかざすのではなく、上部にかざして暖まるイメージです。
タクードの原型は「トヨトミ K-3F」
タクードは、石油ストーブメーカーとして有名なトヨトミのOEM商品(スノーピーク商標による受託製造品)です。
タクードの原型は、トヨトミ「K-3F」という石油こんろです。外側のデザインは大きく違いますが、内部の構造はそっくりです。
なんだか火鉢っぽいデザインで、これはこれで味わいがありますね。
【特徴2】コンパクトなサイズ
タクードの外形寸法は、直径38cmの円柱形、高さ34cm。(重さは6kg)
他の灯油ストーブと比べて、コンパクトなサイズ感です。
【特徴3】IGTに装着可能
タクードは同じスノーピーク製の「IGT(アイアングリルテーブル)」にドッキングして使用することができます。
「IGT(アイアングリルテーブル)」とは?
「IGT(アイアングリルテーブル)」とは、自分の使いやすい様にテーブル幅や脚の高さなどを組み合わせて作ることの出来る料理テーブルのことです。
出典:スノーピーク公式
組み合わせると、タクードとテーブルの高さが同じでスッキリしたデザインです。
出典:スノーピーク公式
すでにIGTを持っている人や、検討している人にとっては、タクードとIGTとの組み合わせはとても魅力的です。
実際に使ってわかった「8つの良い点」
実際にタクードをキャンプで何度も使ってみてわかった「良い点」について、全部で8つ順番に挙げていきます。
【良い点1】絶妙なサイズ感(コンパクト)
タクードの外形寸法は、直径38cmの円柱形をしていて、ストーブの高さは34cm。
他の石油ストーブと比べて、かなりコンパクトなサイズです。
34cmという「絶妙な低さ」
タクードの横幅は、他の灯油ストーブ(写真はフジカハイペット)と比べてあまり変わりません。
タクードは他のストーブよりも「高さ」が、34cmとかなり低く設計されています。
他のストーブの高さと比べると、タクードの「背の低さ」が際立っています。
- タクード 34cm
- フジカ 43cm
- アラジン 55cm
- レインボー 48cm
- アルパカ 48cm
このタクードの特徴である「絶妙な低さ」は、他の石油ストーブには無い、以下のようなメリットを生み出しています。
(低さのメリット1)車に積み込みやすい
まず大きなメリットとして、背が低いために車に積み込みやすいことが挙げられます。
背が高いストーブは、車内の荷物置き場を占領しがちですが、低いタクードは邪魔になりません。
背が低くてコンパクトなタクードのおかげで、車の余ったスペースにキャンプ荷物がたくさん積みこめます。
(低さのメリット2)調理の時に安定感がある
全体の重心が低くなり、タクードを使った調理の時に安定感が生まれます。
低くて安定しているため、ストーブが転倒する心配も少なくてすみます。
(低さのメリット3)小さめのテントにも入れられる
背の低いタクードなら、小さめの幕でも使用できます。しかも邪魔になりません。
僕が愛用している天井低めの「パンダTC」にも、余裕を持って幕内に入れられます。
(低さのメリット4)オフシーズンの収納も楽
石油ストーブを使わない時期も、自宅での収納スペースを圧迫しません。
スッキリ収納することができます。
【良い点2】燃焼時間が長い(15時間)
少ない燃料で長く燃焼してくれる(低燃費)
タクードは他の石油ストーブと比べて、そこまで高火力では無いかわりに低燃費です。
少ない燃料(タンク容量3.1L)で長く燃焼してくれます。
燃焼継続時間は15時間
タクードの燃焼継続時間は約15時間。
寒くなりはじめた夕方からストーブを焚き始めて、途中で灯油を給油することなく朝まで燃焼が続きます。
ちなみにフジカハイペットの燃焼時間は12時間。
給油を忘れると、朝方に灯油が切れてしまうこともあります。
【良い点3】どんな料理にも対応できる
タクードは色々な料理が、いつでも万能にこなせます。
タクードがまさに「こんろ」の役割を発揮する理由は、以下の2点です。
(理由1)安定した中火を維持できる
タクードは一度燃焼させると、安定した中火の温度で燃焼を続けます。
バーナーなどと違い、使うたびに着火させたり、火力を調整したりする必要はありません。
ただ、火力はそれほど強くありません。「中火」程度の火力です。(2.15kw 1800kcal相当)
シングルバーナーなどの最大火力には及びませんが、調理にはちょうど良い火力です。
お湯を沸かす時間は、シングルバーナーなどよりも時間がかかりますが、(タクードは)ずっと置きっぱなしの状態で良い所がポイントです。
ケトルを置いておくと、いつの間にかお湯が沸いていて保温してくれているので楽です。
(理由2)調理用の「天板」が大きくて使いやすい
タクードには取り外し可能な調理用の大きな「天板」が付いています。
天板のサイズは直径23cm。大きめの鍋やスキレットが楽に置けるサイズです。
天板を支える周りのガードも頑丈なため、重い鍋やスキレットを安定して置くことができます。
タクード自体が低いため重心も低くなり、安定するためストーブ自体が転倒する心配もありません。
調理中に吹きこぼれが起きても、燃焼部分に落ちにくい構造になっています。
【良い点4】美しいシンプルなデザイン
個人的に「機能性を追求したシンプルなデザイン」が好みです。
タクードのデザインは、まさしく機能性で美しいデザイン。
どんなキャンプシーンにも目立ち過ぎず、ほどよく馴染んでくれます。
【良い点5】ストーブの近くに安心してモノが置ける
タクードは燃焼筒の側面から熱を放出しにくい(側面があまり暖かくない)設計になっています。
「側面が暖かくない」ということは一見デメリットに感じますが、実は「ストーブの近くに安心してモノが置ける」という大きなメリットになります。
他の灯油ストーブでは置きにくい場所にも、タクードなら設置できます。
【良い点6】燃料漏れしにくい
タクードは、灯油を入れるタンクが2重構造になっていて、本体が転倒しても灯油がこぼれにくい構造になっています。
灯油を満タンにして、車で運んでも、今まで燃料が漏れたことはありません。
【良い点7】風に強い
燃焼部分の周りを金属板で囲っているため、風が吹きこんでも火が消えにくい構造になっています。
実際に使用してみて、他の石油ストーブと比べると風に強いと感じました。(当たり前ですが、強風の前には無力です)
【良い点8】安心のスノーピーク製
スノーピークの製品は、しっかりした作りで、アフターサービスも手厚いことで有名です。
出典:スノーピーク公式
タクードに万が一のトラブルがあっても、しっかりとしたアフターサービスが受けられるのでガンガン使える安心感があります。
タクードの購入前に知っておきたい「注意点」
タクードを購入する前に知っておくと失敗や後悔をしない「いくつかの注意点」について解説します。
【注意点1】他の石油ストーブよりも火力は劣る
タクードの火力は、他の石油ストーブと比べると それほど強くはありません。
タクードの最大火力は2.15kw。
他の石油ストーブの方が高火力です。(例:フジカハイペット2.56kw)
厳冬時、大型テント内での使用は「補助ストーブ」として
最低気温が氷点下になるような季節で、大型幕を使用する場合、タクードのみでは暖まりません。
冬はメインの薪ストーブや石油ストーブの補助としてタクードを使用するのがオススメです。
春や秋のキャンプでは、タクード1つで十分に暖かくなります。
幕内は、簡易扇風機などで空気を循環させるとより効果的です。(温かい空気は上に溜まるため)
【注意点2】側面は暖かくない
タクードは構造上「燃焼部分」が筒で覆われており、ストーブの側面はあまり暖かくありません。
ストーブ側面からの放射熱で暖をとりたい場合は、他の灯油ストーブを検討しましょう。
【注意点3】ツマミを使って火力の調節はできない
ツマミを使って火力の強弱を調節することはできません。
ツマミを上げ過ぎたり下げ過ぎたりすると、燃焼不良を起こし一酸化炭素が多く発生したり、ニオイが出る原因になります。
あくまでツマミは、芯の位置を上げたり下げたりして正常の燃焼状態にするためのものです。