【知識その4】煙突を自分のテントの「どこから出すか?」を考える
気に入った薪ストーブを見つけたら、自分のテントに設置するシミュレーションをしてみましょう。
「煙突の出口」は一番大事なポイント
薪ストーブを設置する場合、テントの生地や天井の高さも大事ですが、一番大事なポイントは、「テントのどこから煙突を出すのか?」を決めることです。
理由は、煙突をうまく設置しないと、テント内に煙が逆流したり、(煙突の熱で)テント生地が燃えてしまう危険もあるからです。
煙突の出口は「上」か「横」の2択
テントから出す煙突の出口位置は、テントの「真上」か「横」になります。
そして煙突の最適な出口は、次の2点によってほぼ決定します。
- 薪ストーブの構造
- テント自体の構造
この2点について、これから詳しく解説していきます。
(1)薪ストーブの構造「本体と煙突の接続位置」
まず薪ストーブ本体と付属する”煙突を接続する位置”が「縦方向」か「横方向」かが、重要なポイントになります。
(2)テントの構造「上部に煙突を出す適当な出口があるかどうか?」
前述した薪ストーブ本体と煙突の接続が「縦方向(上向き)」の場合、
テント上部に(ダブルファスナーなどの)煙突を出せる適当な隙間が作れれば、そのまま煙突を上に伸ばして出口にします。(テント生地を守るテントガードについては後述します)
テントの上部に煙突を出せる隙間が構造上作れなければ、テントに穴を開けて「フラッシングキット」という煙突を出す専用パーツを使って、煙突を出す方法もあります。
テント生地によっては穴を開けられない素材(ポリエステル生地など)のテントもあるので、その場合はテントの横から煙突を出します。(横引きといいます)
横引きの場合、薪ストーブ本体と煙突の接続位置が「横方向」のタイプを選んだ方が設置が楽です。
どうしても接続位置が縦方向の薪ストーブを横引きしたい場合は、煙突の角度を90度曲げる専用パーツ(L字型煙突)を使う方法もあります。
テント生地を守る「煙突ガード」は必須
薪ストーブが燃焼をはじめると、煙突は高温になります。もちろん素手では触れません。
テント生地に高温になった煙突が直接当たると、生地が燃えてしまう(溶けてしまう)ので、テント生地と煙突の間を断熱する「煙突ガード」というプロテクターが必要です。
煙突ガードは断熱材などを使って自作したり、メーカー純正の製品を使ったりします。
横から煙突を引く場合は、テント幕のすぐ近くに薪ストーブを置くことになるので、断熱材を使ってテントと薪ストーブの間に「壁」を設置しておくと安心です。
テントに必要な煙突の長さを確認
テントの天井高を把握して、必要なら煙突を高くする”延長煙突”を用意しましょう。
煙突が低すぎると、煙突効果が無くなって(上昇気流がうまく作れずに)煙がテントの中に逆流してくることがあります。
【その5】薪ストーブ以外に必要なアイテムをチェックする
煙突の出口を考えた後は、薪ストーブ本体以外に必要な道具をチェックしましょう。
最低限必要な道具
薪ストーブをキャンプで使うためには、
- 耐熱グローブ
- 火ばさみ
- 灰かきスコップ
- 一酸化炭素警報器
は、最低限必要です。
あると便利な道具
次に、必ず必要では無いけど、あると便利な道具を紹介していきます。
着火剤
薪ストーブの火を起こす時には、「着火剤」があると便利です。
薪ストーブを専門に扱っているファイヤーサイド社の着火剤「ファイヤースターター」は、1個で6〜8分くらい燃え続けるので、焚き付けの木材に安定して着火することができます。
薪ストーブ用の温度計
薪ストーブ用の「温度計」があれば、薪ストーブ内の燃焼具合が把握しやすくなります。
写真(↑)のように、薪ストーブの上に直接置いて使用します。
温度計を見て、薪ストーブの温度が350℃を超えないように薪をくべていくと、効率よく燃焼させることができます。
灰取り用のバケツ(火消し壺)
薪ストーブを片付ける時に、炉内に残った灰を入れておくバケツがあると便利です。
僕は焚き火の時にも使っている、フタ付きの「火消し壺」を灰取りバケツとして使っています。
灰捨て場が無いキャンプ場では必須アイテムです。
キンドリングクラッカー
太すぎる薪は薪ストーブに入りきりません。
その場合、斧や鉈で薪割りをするよりも「キンドリングクラッカー」を使えば、簡単に薪割りで焚き付けを作ることができます。
使い方は超簡単で、薪をキンドリングクラッカーに乗せてハンマーで叩くだけです。子どもでも安全に薪割りができるので重宝しています。
まとめ
「薪ストーブを導入する前に知っておいた方が良い知識」について詳しく解説させていただきました。
薪ストーブは確かにハードルが高いと感じる部分が多いかもしれません。
でも、事前にしっかりとした知識を身につけておけば、薪ストーブは想像していたよりも簡単に楽しむことができます。
薪ストーブにかける多少の手間は、気づくと”キャンプでの楽しい時間”に変化しています。
薪ストーブで暖まりながら過ごすキャンプの時間は、何とも言えない格別なものに感じます。
薪ストーブを検討されている方に、ご参考になれば幸いです。